アオヒゲ危機一髪♪ 樽の中身は何だろう!?

登山とキャンプ、写真撮影が大好きな「自称爽やかなオジサン」のアウトドアブログです。

那須岳の雪崩に思う事。 雪崩の兆候と対策について。

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那須岳の雪崩について

 

昨日、那須岳で大きな雪崩の事故が起こってしまいましたね。

 

出張で外をウロウロしていたので、那須岳の雪崩の事故のニュースの事を知らなかったんですが、高校生と言う若い命が多く奪われてしまった事に驚きを隠せません。

 

お亡くなりになった方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

少し暖かくなってくると、雪崩の事故が多くなりますよね~・・・。


これからは、シーズン最後の山スキー!とかで入山する方も多いでしょうしね~・・・。

 

雪が多い地域は、この時期にならないと中々晴れないのも要因かも知れませんよね。

 

私は、冬山を少しかじっている程度の技量なので、本格的な冬山には登らないようにしているのですが、それでも「厳冬の頂の美しさを味わいたいな~」ってな思いが結構あります。

 

少しずつ体力・技術を向上させて・・・とは思っているのですが、多分、この時期に単独2,500m以上(森林限界)の山には行かないかな~っと思っております。

 

プロの方でさえ、雪崩の予想は難しいと言われておりますから、私みたいな普通の「アオヒゲのオジサン」では太刀打ちできませんからね~~

 

まだ、調査中かもしれませんが、今回の栃木の那須岳の雪崩も「表層雪崩」かも知れません。

 

雪崩でお亡くなりになった方の90%以上が「表層雪崩」によるものと言われております。

 

冬山登山をされている方ならご存知の方も多いかと思いますが、雪崩には大きく分けて2種類ございます。

 

今回は那須岳の雪崩の事故を教訓として、「雪崩の種類」、「雪崩の兆候」、「雪崩の対策」について掘り下げてみたいと思います!

 

雪崩の種類について

おさらいを兼ねて雪崩の種類について、少し記載したいと思います!

 

● 表層雪崩

気温が低い時(厳冬期)に、古い積雪の上に大雪が降った時に起こりやすいと言われております。


日中日が当たり、表面の氷が融け、それが寒さで凍った後にドカ雪が降ると、凍った部分が滑りやすくなりさらに起きやすいみたいです。


やはり、当日の天気も重要ですが、数日前の気象情報を確認しておくことが大事になります。

 

● 全層雪崩

春先の暖かい日(残雪期)や、雨が降った後に起きやすい雪崩になります。


雪融け水や、雨が積雪にしみこみ、地表と雪の間を沿うように流れる事によって雪が滑り落ちます。

 

言葉で書いてもアレなので、図を添付いたします!

 

雪崩事故の発生件数と死亡者の統計資料

※気象庁より出典

 

少し古い統計ですが、残念ながら毎年雪崩に遭ってお亡くなりになってる方が相当数いるのが現状です。

 

また、雪崩が起きやすい斜度は30度~40度と言われております。

 

一般的な登山道の斜度は、だいたい15度前後と言われているので、30度を越してきますと、バリエーションルートの世界となり、ギリギリ登れるかどうかの斜度になるかと思われます。

 

逆に、50度以上の斜度だと、雪が十分積もらず、かえって雪崩が起こり難くいそうです。

  

雪崩の予兆について

続きましては「雪崩の兆候」について書いてみたいと思います!

 

表層雪崩

ワッフ音(雪の中に潜む弱層が壊れる音)が聞こえたら要注意です。

 

私は聞いた事がないんですが、結構な音がするそうです。

 

全層雪崩

斜面の雪に亀裂やこぶ状の起伏(雪しわ)があると要注意です。

 

両方とも、「土砂崩れ」と似たような兆候ですよね!

 

雪崩の速度及び破壊力について

 

表層雪崩

雪崩の前面の速度は時速100km前後になり、規模にもよりますが、新幹線の速度(時速240km)と同等の場合もあるそうです。

 

これほど速いので、鉄筋コンクリートの建物を破壊するほどの威力があります。

 

全層雪崩

時速40~80km位で自動車並と言われております。

 

表層雪崩と比べると、ズルズルズル~っとカレーうどんの汁が飛ばないように食べてる感じにユックリと滑り落ちます。

 

今回の那須山の雪崩の速度が時速50km前後ではないかとニュースでやってましたので、もしかすると「全層雪崩」の可能性も否定できない状況です。

 

ただ、数日前の那須岳周辺の天気や温度を見た限り、「表層雪崩」かな~って個人的には思っております。

 

雪崩に遭遇したら!?

雪崩に巻き込まれる事を周りに気付いてもらうためにも大声で叫びながら横(右か左)へ逃げます。

 

スキー・スノボーで滑っている時は、下45度位の角度で逃げると効果的だそうです。

 

よく言われていることですが、雪崩に巻き込まれてしまったら、ジタバタしながら雪を泳ぐようにし、出来るだけ上部に出るようにすると見つけ易くなり助かる確率が上がるそうです。

 

雪崩に流されると、岩場や木などにぶつかる可能性もあるので、クッションの代わりになるザックは背負ったままが良いそうです。

 

ただ、こちらは色々と意見が割れている部分なんで、ザックについては時と場合によるかも知れませんね。

 

やはり、雪崩対策装備である「ビーコン」「エアバッグ」などを持って入山するのが良さそうですよね。

 

 

ただ、どれもお値段が高いので、本格的になるならば・・・ってなってしまいますよね・・・。

 

雪崩の直後の生存率について

また、雪崩の直後は、デブリ(雪)の中に70%前後空気が含まれているので、上手く「エアーポケット」があれば30分くらいは生存が可能と言われております。


窒息の次に怖いのが「低体温症」ですが、こちらも雪崩に巻き込まれてから60分くらいは問題にならないそうです。


そ~は言っても寒いと思いますので、早く出してケロ~(>_<)っと叫んでしまいますよね。


でも、パニックになればなるほど酸素の消費量が増えてしまいますので、そこは我慢して、私の三段腹みたいにドッシリ構えている必要があるのかも知れません。

 

雪崩の経験について

一般的に、雪崩に関しては、記載の内容のような事をが言われておりますが、私自身は雪崩に遭遇したことはございません。

 

国境稜線(谷川~巻機山)谷川~巻機山国境稜線 2泊3日テント泊縦走 前編(白毛門~朝日岳~柄沢山~巻機山) - アオヒゲ危機一髪♪ 樽の中身は何だろう!?を残雪期に歩いた時に、谷川岳の一ノ倉沢で小規模な雪崩を見たのと、南アルプスの農鳥岳に残雪期に大門沢から登った時に、南アルプス 農鳥岳敗退。リベンジを誓って・・・(残雪期 大門沢起点) - アオヒゲ危機一髪♪ 樽の中身は何だろう!?雪崩の跡」を見たくらいです。

 

国境稜線の方は、小規模ながらも凄い音が聞こえ、「雪崩って凄い迫力だな~!!」って感じでした。

 

雪崩ではないですが、大きく深い「クラック(雪の割れ目)」が何本もあって、非常に怖い思いを致しました。

 

 

雪山登山の様子

手前の凹んでいる所がクラックになります。

 

深さは5m以上はあるかと思われます。

(下まで見えませんでした。)

 

南アルプスの大門沢(農鳥岳の登山道)の方は、デブリが凄い沢を横断したのですが、あの時も「雪崩が発生したらどうしよう!?」ってな感じで非常にドキドキした記憶が残っております。

 

 

雪崩の様子

谷を横断した時のデブリの状況です。

 

アソコの斜面で雪崩が起きたんでしょうね~・・・。

 

 

登山中の雪崩の様子

こちらも大門沢になるのですが、こんな雪崩の跡がアチコチにありました。

 

南側の斜面で日がよく当たり融け易く、地形的にも雪崩が起きやすいのが良く分かりますよね。

 

一ノ倉沢や大門沢は「雪崩の巣窟」で有名ですしね。

 

一ノ倉沢は、雪崩の季節は「入山禁止」になるくらいですからね~。

 

ここから少し話が変わり「土砂崩れ」になるのですが、こちらの方が雪崩よりも身近な災害かも知れませんよね。

 

って書いてみたものの、何度か読み返しているうちに、この時期に書く内容ではないな~っと思い、一時「お蔵入り」いたします。

 

怪我された方も多いですし、ご遺族の心中を察すると、ためらってしまいました。

 

ブログとはいえ、何でもかんでも書いて良いもんでもないですしね。

 

時期をみて、「土砂崩れ」の話は書きたいと思います。

 

それにしても、災害は何時起きるかわかりませんし、気をつけていても防げないものもありますしね。

 

まとめ

たら・れば・になってしまいますが、今回は悪天候を理由にラッセル訓練をせず、下山したならば、防げた事故かも知れませんよね。

 

まだまだ若いですし、リベンジする機会は幾らでもあったはずですからね。

 

山を愛する若者が多く亡くなってしまって残念でならんですよね。

 

誰しも滑落や遭難、雪崩などで命を落としたいとは思ってないですしね。

 

これを教訓にして、同じような事故を起こさないようにするのが1つの供養になるかな~っと私は思います。

 

「運命だから。」とか「運がなかった。」など言うのは簡単ですが、それだけで済ませちゃうのは亡くなった方への冒涜かな~っと思ってます。

 

偉そうなことは全然言えませんが、雪山に限らず登山は危険と隣り合わせですから、気を引き締めて登りたいもんですよね!

 

www.aohigetozan.com

那須岳の朝日岳で遭難事故が発生し、4名の方お亡くなりになってしまいました。

遭難事故の場所や、原因などについて書いてますので、良かったら参考にしてみて下さい!