- 登山の水分補給と水場の危険性について
- 貴重な水分補給地丹沢山塊の水場の大腸菌汚染状況について
- 煮沸した方が安全な水場について
- 登山の水分補給にアウトドア用小型浄水器の活用について
- 登山の水分補給で活用したい煮沸消毒の重要性について
- 水場を汚さない対策について
- まとめ
登山の水分補給と水場の危険性について
登山をしていると、ホッとする憩いの場所は「水場」だと思います。
登山の水分補給として水場を利用している方が非常に多いと思います!
山の中では水がとても貴重な物になりますので、節約しながら登山をしている方も多いと思います。
私も登山中は、水の残量を常に意識しながら登っているのですが、時々水切れをおこしてしまい、リアルに干物のような風貌になってしまう事があったりします。
干物のように、無駄な水分が抜けてイケメンに変身できれば良いのですが、現実は深海魚のような眼差しをいている誰かさんでございます。
そんな深海魚のような風貌をしながら、喉がカラカラの状態で負荷の高い登山をしていれば、いずれ脱水症状から熱中症になってしまいますよね。
登山中は、いかに水が貴重な物かを改めて感じる時間になりますが、登山道の脇で水がコンコンと湧き出ている水場を見つけると「がぶ飲み君」と化してしまい、ついつい飲み過ぎてしまいますよね!
そんな登山中の水場ですが、水道水のように殺菌されていない生水になりますので、衛生面が気になる方がいらっしゃるかと思います。
私は「消費期限」とかに無頓着なもので、加工食品なら、ある程度過ぎていても食べてしまうのですが、生水の危険性ついては多少知識があるもので、結構気を遣っております。
殺菌、消毒されていない水場の生水を飲みますと、伝染病や寄生虫などの感染リスクがありますので、思っている以上に危険な行為になります。
特に山小屋泊やテント泊で縦走登山を楽しんでいる最中、生水にあたりお腹を壊してしまうと、非常に深刻な状況になってしまいます。
山の中はトイレが少ないですし、医療体制も貧弱ですので直ぐに適切な治療を受けることができません。
体調不良の中で下山するのも大変ですし、お腹壊してしまうと力も入りませんので、非常に危険な時間になってしまいます・・・。
水場として飲めるように整備されていると、疑いもなくそのまま水分補給してしまうことがありますが、今回は私のホームグラントである、丹沢山塊の水場の汚染状況とその危険性について掘り下げてみたいと思います!
丹沢山塊は、意外と汚染されている水場が多く、チョッと驚いてしまいました。
貴重な水分補給地丹沢山塊の水場の大腸菌汚染状況について
登山中の貴重な水分補給地になるのが水場ですが、丹沢山塊にも多く点在しております。
丹沢山塊に鎮座する大山は、別名「雨降山」と呼ばれているのですが、これは雨が多く降る山であることから名付けらたと言われております。
※雨降山(あめふりやま)が転じて阿夫利山(あふりやま)とも呼ばれてます。
雨が多く降れば、それが地下に浸みこみ、長い年月を経て地上に湧き出してきますので、丹沢山塊に水場が多いのも納得な感じですよね。
そんな貴重な水場が豊富な丹沢山塊ですが、残念ながら、全て安全な水分補給地として機能しておりません。
神奈川県では、数年に1度「水場」の水質調査を実施しております。
細菌や大腸菌に水場が汚染されてないか、有害物質を含んでいないかなどを細かく検査しております。
その水場の検査結果が纏められているのですが、詳細がこちらになります!
※神奈川県より引用
直近の水質調査は、平成29年に行われたのですが、丹沢の代表的な水場で大腸菌が検出されております。
ちなみに大腸菌が検出されると、水場としては不適合になりますので、最低でも煮沸消毒が必要になってきます。
不適合な水場の詳細がこちらになります!
※神奈川県より引用
文字が小さく読み難くなってしまい申し訳ありません。
水分補給として利用するのを控えた方が良い水場を抽出するとこんな感じになります!
- 半原越付近の水場
- 後沢乗越水場
- 二俣の水場
- 大倉高原山の家水場
- 用木沢出合
- 一軒屋避難小屋前水場
- エビラ沢出合
こちらの丹沢の水場は、大腸菌と一般細菌も検出されてますので、生水での給水は非常に危ないです。
こちらが半原越になるのですが、正直、付近に水場がある事を知りませんでした。
法面から湧き出しているんでしょうかね!?
昭文社の山と高原地図にも水場の表記が無いのでアレですが、もし、水分補給で利用しているなら、生水での給水は控えたほうが無難だと思います。
こちらが鍋和山の登山道がある後沢乗越付近の水場になります。
水場と言うよりは沢になるのですが、雨が降ると周辺の斜面から水が集まるので、結構な濁流になる事があります。
普段は岩清水のような場所になりまして、結構雰囲気の良い場所です。
この沢沿いが鍋割山への登山道になるので、雨が降るとチョット怖い感じになります。
登山道のすぐ横に沢があり、そこが水場として機能していたのですが、残念ならこちらも大腸菌が検出されてますので、生水での飲用は止めたほうが良いです。
話が少し脱線しますが、こちらが丹沢主稜縦走路上にあります神ノ乗越の水場になります。
道標の裏を真っすぐ5分ほど下って行くと水が湧き出ております。
昭文社の山と高原地図にも記載のある水場ですので、利用されたことがある登山者も多いと思います。
ボランティア活動のお陰でだいぶマシになりましたが、神ノ乗越の水場周辺はゴミが多く、水分補給に立ち寄りたいと思えないロケーションが広がっております。
も~だいぶ神ノ乗越の水場で水分補給をしていないのですが、こちらも大腸菌が検出される事があるので、生水での給水は止めたほうが無難です。
そして昔は良く使われていたという「二俣の水場」がこちらになります。
私は利用したことがないのですが、この付近の沢の水を水場として利用していた時代があったそうです。
現在は、鍋割山の主要な登山道になりますので、とても生水を飲もうと思う方はいないと思いますが、この周辺も大腸菌が検出されてますので、利用は控えてください。
この界隈は、丹沢の沢登りのルートで有名なのですが、どうしても登っている時に沢の水が口に入ってしまい思わぬ水分補給をしてしまううことがありますので、そちらも注意したほうが良いかと思います。
そしてこちらが大倉高原山の家の水場になります。
現在、大倉高原山の家は閉鎖中になるのですが、元々こちらに営業小屋がありました。
小屋で使われていた水場なのですが、残念ながら大腸菌と一般細菌が検出されてます。
まさか小屋の水が大腸菌に汚染されているとは夢にも思いませんよね。
何も考えず小屋の水で水分補給したら、お腹を壊して脂汗モリモリプレイに突入は嫌ですよね~・・・。
なんだか癒しの空間が広がるこちらは用木沢になるのですが、こちらも大腸菌が検出されてますので、生水での飲用は不可でござます。
用木沢につきましては、犬越路避難小屋に水場が無いので、こちらの沢水を飲用にする登山者が結構いたりします。
上流部分なら大丈夫かな?と、思ってしまうのかも知れませんが、最低でも煮沸消毒しないとお腹を壊してしまう可能性があります。
こちらは、西丹沢にあります一軒屋避難小屋になります。
避難小屋の目の前に沢が流れてまして、そちらを水場として利用する方がいます。
一見、綺麗そうに見える沢水なのですが、こちらも大腸菌が検出されてますので、生水での飲用はNGになります。
優雅な滝の写真になりますが、こちらはエビラ沢の滝になりまして、この沢水につきましても大腸菌が検出されてます。
沢登りのルートになりますので、そちらで利用する方がいるかも知れませんが、生水での飲用は控えたほうが無難になります。
一見、綺麗そうに見える沢水も、細菌やウイルスは目に見えませんので、油断してはいけませんよね。
しかしながら、丹沢山塊周辺は、大腸菌に汚染されている水場があるものの、このように美味しい水をコンコンと湧き出す所もあったりします。
こちらは葛葉の泉になりまして、登山の水分補給に最高の湧き水になります!
こちらが護摩屋敷の水になりまして、丹沢の水場の中でも、好きなスポットの1つになります。
塔ノ岳山頂直下にある、不動の清水(水場)になります。
標高1,400m付近にある水場ですので、登山の水分補給では欠かせない湧き水でございます。
※塔ノ岳の尊仏山荘の水場にもなってます。
煮沸した方が安全な水場について
上述した大腸菌に汚染されている水場には該当していませんが、こちらの竜神の泉(水場)は、チョット危険な感じになってます。
何故かと申しますと、水質調査のタイミングによって大腸菌に汚染されてる時があるからです。
こちらは、令和元年に秦野市の方で調査した水質検査の結果になるのですが、竜神の泉で大腸菌が検出されている年があったりします。
安全に水分補給できる水場かどうかは、ある程度のスパンで汚染状況を調べてみないと、なんとも言えないところがある感じです。
私は竜神の泉の湧き水は、そのまま生水での飲用してしまうこともあるのですが、念には念を入れるなら煮沸した方が安心ですよね。
丹沢表尾根(烏尾山・天神尾根等)の登山で竜神の泉を利用している方も多いと思いますが、煮沸した方が無難でございます。
そして、もう1つエントリーしてある「若竹の泉」ですが、こちらは秦野市街にあります。
時々枯れている事があるそうですが、こちらも大腸菌が検出されてますので、渋沢丘陵へハイキングする時に当てにするのは危険かな~と思います。
登山の水分補給にアウトドア用小型浄水器の活用について
登山中、「この水場は安全か?」と考えるのも面倒臭いですが、一番手っ取り早いのは、こちらのアウトドア小型浄水器を使って水を浄化することかと思います。
登山中は、疲労も重なり免疫力が弱くなりやすいので、チョットした細菌でも体調を崩す恐れがあります。
中々登山で浄水器を活用している方は少ないと思いますが、安全に水場を使って水分補給をしたいなら必須の山道具になるかと思います。
特に北海道は、エキノコックス(寄生虫)の問題がありますので、安全に沢水を飲むためには浄水器が必須になりますよね。
細菌や寄生虫は、目に見えないだけに、十分過ぎる対策をすることが重要ですよね!
ソーヤーから発売された、最新のアウトドア浄水器であるマイクロスクィーズフィルターについて書いた記事になります!
携帯に便利な小型軽量モデルですので、登山を始め、アウトドア全般の水の調達に便利だと思います!
登山の水分補給で活用したい煮沸消毒の重要性について
中々アウトドア用の小型浄水器を用意して登山するのも大変だと思います。
その場合、登山の水分補給で「煮沸消毒」が有効です。
煮沸消毒は、読んで字のごとく水を加熱して沸騰させ、その熱で細菌やウイルスを死滅させる消毒のやり方になるのですが、実際に何分する必要があるかご存知でしょうか?
色々と言われているのですが、おおよその目安としましては、5分間煮沸することが重要であるといわれております。
個人的には、2、3分でも大丈夫かな~と思ってしまうのですが、実際は5分間沸騰させなければなりません。
5分間煮沸消毒すれば大丈夫かと申しますと、残念ながら全ての細菌等を死滅させることは出来ません。
有名なのがボツリヌス菌になりまして、こちらは100度で煮沸しても死にません。
また、大腸菌の毒素は、加熱しても解毒されませんので注意して下さい。
腐ったカレーを加熱しても食べられないのと一緒で、細菌などが増殖し、毒素が出てしまうと加熱しても意味がありません。
同じ理屈で、古い水を煮沸消毒しても飲用には不可になります。
しかしながら、煮沸消毒は、安全に水分補給をする上でも大切な儀式になりますので、5分間祈りを捧げながら、美味しく頂きたいものですよね!
水場を汚さない対策について
一度水場が汚染されてしまうと、中々元の状態に戻することが難しくなります。
細菌やウイルスは、ある一定の環境になりますと、どんどん増殖を繰り返しますので、中々根治することが難しいです。
お風呂場のカビを思い出してもらえれば分かりやすいかと思いますが、一度菌が根を張ってしまいますと、何度掃除をしてもまたブリ返してしまいますよね!?
それと同様に、水場周辺が大腸菌などに汚染されてしまうと、中々綺麗な水に戻すことが難しくなってしまいます。
水場を汚さない対策としましては、残飯などを残さない、トイレをしない、野生動物を近づかせないなどが有効です。
特に糞尿は、大腸菌の汚染に直結してしまいますので、水場付近で粗相をしないことが大事でございます。
丹沢の水場の汚染が広がった遠因としてあるのが、鹿の生息数の増加があります。
個体数が増えれば、それに比例して糞尿も増加しますしね。
また、山に残飯を捨てる輩がおりますが、それによって野生動物が近づいてしまい、周辺に糞尿をまき散らす原因になりますので、マナーの1つではありますが、山にごみを捨てないことが、水場を汚さない対策としても重要です!
まとめ
水が豊富な丹沢山塊ですが、水場として利用できない所があるのは残念ですよね。
特に山の奥深いところにあります水場は、登山者にとってはなくてはならないものですので、使えなくなってしまうと水分補給に困ってしまいますよね。
登山の装備の中でも、荷物の重量の筆頭になるのが水になりますので、途中で給水出来ませんと、負荷の増加に繋がりますよね。
登山ブームも相まって、オーバーユースと言われている丹沢山塊ですが、人の活動が増えるに比例して、大事な環境が損なわれてしまうのは悲しい現実です。
水場の環境を守ることは、未来への投資に繋がりますし、子孫の為にもこれ以上の水質悪化を食い止めなければならないと思っております。
水資源は無限ではく有限です。 水が湧いている事を当たり前だとは思わず、水場を守り環境に配慮しながら登山やアウトドアを楽しみたいものですよね!
アウトドア浄水器おすすめのソーヤミニについて書いた記事になります!
登山・キャンプ・災害用に使えるモデルですので、良かったら参考にしてみてください!
汚染されている水場もありますので、自分で水を持参するのが一番安全だと思います。
登山用のアルミボトル(水筒)の有名メーカーである LAKEN(ラーケン) とシグ(SIGG)について書いた記事になりますので、良かったら参考にしてみて下さい!
登山の水分補給におすすめな自作のスポーツドリンクについて書いた記事になります!
手作りするのに必要な原材料や、作り方について触れてますので、参考になれば幸いです!