- 登山中に目の前に熊出没した経緯
- クマと遭遇した場所について
- 熊鈴でクマとの遭遇対策
- 目の前に熊出没と遭遇した時の状況
- 熊の大きさについて
- 目の前でクマと遭遇した原因について
- 熊の冬眠について
- 熊鈴と熊の臭いについて
- 目の前に熊出没と熊の冬眠のまとめ
登山中に目の前に熊出没した経緯
先日、新しく買った登山靴の慣らしを兼ねて山に登ると、途中で熊と遭遇し肝を潰しました・・・。
まさかクマが居るとは思わなかったので、大変驚きました!!
ツキノワグマに襲われず、怪我が無かったのが幸いだったのですが、今日はその時の顛末について詳しく書きたいと思います!
熊と遭遇した時の山行記録になります。
マイナーなコースを歩いたのが影響していると思います。
クマと遭遇した場所について
その日は、丹沢大山へ登ろうと思い出掛けたのですが、「大山詣り」が「日本遺産」に登録された影響もあってか、大変混みあっていたので、人の少ないマイナールートで登る事にしました。
「日本遺産」になるのは嬉しい話ですし、「目指せ世界遺産!!」って感じですね!
ただ、この登山コースの設定が、そもそも間違いの原因でした・・・。
そんな事とは露知らず、今まで歩いた事のないコースで行こうとなり、大山の「境界尾根」と言う一般登山ではないコースを使うことに致しました。
名前でいってもアレだと思いますので、少し見にくいですが地図に加筆してみました。
赤線が今回歩いた「境界尾根」になりまして、黄色線が「宝尾根」になります。
青丸辺りで熊と遭遇しました。
※地図に間違えて「県境尾根」と記載してしまいました。正解は「境界尾根」です。
クマと遭遇した現場近くの地図
「境界尾根」、「宝尾根」は、マイナーなルートをこよなく愛する方にとってはメジャーなルートになるのですが、一般登山道ではないので、一般ハイカーにとってはマイナールートになります。
え~なんだか文字にしてみると意味が伝わるような伝わらないような・・・変な文章ですよね(笑)
よ~は普通の登山道では心が満たされない、チョッと変わった性癖を持つ登山者が歩くルートになります。
そんなルートなので、登山者は皆無で静かな時間が流れていきました・・・♡
熊鈴でクマとの遭遇対策
コースにもよりますが、一般登山道だと「熊鈴」を鳴らさないことが多いのですが、今回のようなマイナールートですと、最初からリン♪リン♪熊鈴を鳴らして熊との遭遇対策をバッチりして臨むようにしております。
「さ~後少しで三峰山に着くぞ~!」
ってな箇所にさしかかると、急斜面で岩が脆い下りになり、慣れない登山靴なもので慎重に、そしてユックリと下って行きました。
今思うと、この下りの時は、熊鈴があまり鳴ってなかったと思われます。
目の前に熊出没と遭遇した時の状況
こちらが下った岩場を下から写した写真になります。
写真のとおり、岩が脆くてよく滑る箇所になります。
無事にコルに着き一息入れ、七沢山(三峰山の近く)への最後の急登を登り始めた時でございます。
時間は、AM9:30を少し過ぎた辺りでしょうか。
登り始めて2歩か3歩、熊鈴がリン♪リン♪と2回鳴った直後に前方にある木の上がなにやら騒がしい・・・
その直後、猛烈な獣臭がしてくるではないですか・・・
この臭い、昔に嗅いだ事があるぞ・・・
熊の臭いについては、こちらの記事に記載してありますので、良かったらご参考にしてみてください!
と、思った瞬間、木から降りて来た熊と鉢合わせとなり、お互い目と目が合い、
「グルルルル・・・・」
のような威嚇音をさせてきました。
写真はイメージですが、まさにこんな感じでした・・・
目の前の熊との距離は、およそ7m・・・
※熊が目の前から去った後、歩数で測ってみました。(1歩70cmとして10歩弱)
情けない事に、急な出来事にビックリし、完全にフリーズしてしまいました(>_<)
熊に出会ってしまった時の行動として、よく言われている「熊の正面を見ながら少しずつ後ずさりし距離をとって立ち去る」なんて出来る訳ございません!!!
思考が停止し、も~立っているだけって感じでした。
私の方が位置は下だし、両側はキレ落ちた谷・・・
上から襲われたら、左右のどちらかの谷に落ちて滑落だな~・・・
対峙した時はそんな事を考える余裕も無かったのですが、熊が目の前から去った後、自分の居た場所を確認するとゾッとしてしまいました。
結局、威嚇音をさせた直後反転し、下記写真の方へ逃げていきました。
対峙した時間は、5秒も無かったと思うのですが、非常に長く感じました。
フリーズし、思考停止をしていたので、逃げ去る熊の写真を撮る余裕は全くありませんでした。
熊と目の前で遭遇した現場の写真です。青矢印の方へ逃げていきました。
フリーズの復活が早かったら、熊の後ろ姿を撮れたかも知れませんね。残念(>_<)
も~その時は、写真よりもクマが襲ってこず、逃げてくれた安堵感でいっぱいでした。
熊の大きさについて
目の前に現れた熊の大きさは、だいたい60cm~80cm位かな~っと思われ、ツキノワグマのシンボルである「白色の三日月模様」がクッキリと胸にありました。
写真はイメージですが、この熊の写真よりも一回り小さかった思われます。
熊が逃げて数分後、逆コースから若いお兄さんが歩いてきました。
熊が逃げていく音が聞こえたらしく、「落石でもあったのですか?」と質問され、「熊が出た。東の方へ逃げていったから気をつけて。」と答えたら驚いておりました。
まさか熊が居るとは思わないですよね~・・・
でも、そのお兄さんも熊鈴を鳴らしていたので、警戒はしていたんだと思います。
それにしても何故、熊鈴鳴らしていたのにニアピンすることになったのか自分なりに少し考えてみました。
出来たら熊に聞きたいところなのですが、目と目が合ったら恋は生まれず、早々に逃げてしまったのが残念です(笑)
目の前でクマと遭遇した原因について
けっこう強い向かい風(北西の風)だった。
私は北側に向かって進んでいたので、強烈な「加齢臭」が風上に居た熊に届かなかったと思われます。
同じ理由で、熊鈴の音も近くに来るまで届かなかったかと思われます。
熊の居た位置が一般登山道に近かった
一般登山道から5、6分前後と近い所に熊が居たので、そこを歩いている登山者だと私の事を思ったのかも知れません。
逆に言うと、そんな登山道の近くに熊が居る事にビックリですよね。
日当たりの良い場所だった
目の前に現れた熊は、木の上で寝ていたと思われ、良い夢でも見ていたんじゃないかと考えております(笑)
熊の出没に気をつける時間帯として、「早朝・夕方」とよく聞きますが、木の上などで寝ている場合もありますので、あまり当てにならないと思います。
目つきが凶悪だった
熊は、寝覚めが悪いみたいです(笑)
某ネズミーの「プ~太郎」と比べ物にならないほどの眼光の鋭さが印象的でした。
マイナールートだった。
一般登山道ではないので、普段から人気がない尾根だと思われます。
アッチもまさか人間がくるとは思っていなかったと思います。
これについては、私も反省すべき事だと感じております。
マイナールートを歩くことが良いか悪いかは別にして、人気のない所に行く時は、単独は避けるべきだと思いました。
熊の冬眠について
こんな感じかな~っと思っているんですが、それにしても1月も半ばと言う時期に、何故、熊は冬眠してないのか?ってな疑問が残るかと思います。
これにつきましては、生息地域によってだいぶ生態が違うみたいなのですが、丹沢山塊に生息する熊は基本的に冬眠しないと言われております。
何故か???
熊の冬眠は、気温や餌に左右されると言われているからです。
一般的に熊は、0℃以下の日が続き、積雪があると冬眠に入ると言われております。
また、餌も重要な要素で、木の実が不作の年ほど冬眠が早まるとも言われ、逆に何時までも餌がある環境だと冬眠しないそうです。
餌が少ない年は、体に脂肪を蓄える事を諦め、消費カロリーを減らす為、早々に冬眠するみたいです。
この関係で、動物園にいる熊は冬眠しません。
動物園の飼育環境にもよると思いますが、例外として、上野動物園は、冬眠するような飼育をしているそうです。
そんな感じで更に掘り下げ、気になる神奈川県の気象データを調べてみました。
熊が冬眠する温度について
<神奈川県中央部平均気温データ>
丹沢山塊に一番近い、神奈川の中央付近(海老名市 標高25m位)の年間平均気温が、15.3℃、一番寒い時期(1月)の平均が4.6度、最低気温が-0.7℃になっております。
標高が100m上がると、気温が0.6度下がると言われておりますので、一番寒い時期の神奈川最高峰である蛭ヶ岳(標高1,673m)ですと、下界より約10℃ほど寒いことになります。
下界の最低気温が-0.7℃の日ですと、山頂は-11℃前後ってことになります。
流石にこの周辺(標高1,600m前後)で生息している熊は、気温からして冬眠するのではないかな~っと推測しているのですが、これより低い山に居る熊は冬眠せずに活動を続けているんじゃないかと思われます。
熊の特性として、夏場は標高の高い所で活動するみたいですが、寒くなるにつれて低い所へ移動するみたいです。
厳冬期の丹沢は、その年によっても違いますが、だいたい700mより下には積雪がないので、「冬眠」の条件と合致しなくなってきます。
今回、遭遇した場所も標高900m弱の所で、積雪はありませんでした。
熊の足跡について
こちらは、雪につく熊の足跡の写真でございます!
撮影日は、数年前の12月21日、撮影場所は、今回の遭遇現場の近くにある「物見峠付近(丹沢山塊)」なんですが、この時期でも冬眠せずに活動していることが分かります。
気象条件等によって、冬眠したりしなかったりだと思われますので、真冬だからと油断せずに人気の無い所を歩く場合は、「熊鈴」や「ラジオ」等の音がするもので、自分の存在を知らせることが大事なんだと思います。
熊鈴と熊の臭いについて
もし、今回私が熊鈴を鳴らしていなかったら、お互いの存在に気付くのが遅れ、さらに近距離で対峙する事になったと思います。
アチラさんは、確実に私の熊鈴に気付き、慌てて木から降りたような感じでした。
今回、7m前後の距離で対峙し、襲われる事なくアチラの方から逃げてくれましたが、それが5m、3mの距離だとしたら、また違った結果になっていたかと思います。
最後に1つ付け加えると、今回もかなりの「獣臭」が致しました。
昔に嗅いだ臭いとは少し違ったんですが、「これはヤバイ」と奥底に眠る本能が目覚めを感じる臭いがしました。
今回は、獣臭に枯葉の臭いが混じったような感じだったのですが、活字にすると上手く伝えられませんね~(´∀`*)
簡単に書くと、「23時頃まで働いた時の私の靴下の臭い」+「寝不足で胃腸の調子も悪い時の飴色のタメ息」を混ぜてそれを5倍に濃縮しても負けてしまう臭いです。
よ~は、とても臭いという事です(笑)
嗅げは直ぐに「獣が近くに居る」と分かるかと思います。
色々な熊対策がありますが、それにプラスして「熊の臭い」にも注意しつつ、何時も油断のない行動が大事なんだと思った今回の出来事でした。
目の前に熊出没と熊の冬眠のまとめ
丹沢山塊の熊は、30頭前後しか生息していないと言われ、絶滅に瀕しております。
種の多様性は、美しい森には必要不可欠です。
ツキノワグマは、危ない、凶暴、不要な動物と思われがちですが、森にとっても熊は必要な動物です。
1つのバランスが崩れただけでも生態系に大きく影響します。
日本の森に狼が居なくなり、かわりにシカが増え、それに引っ付いてヤマビルがアチコチ移動し益々増えてしまいましたが、シカに食われた草木が死に、悲惨な森になりつつなのが今の丹沢山塊だと思ってます。
必要以上に熊を恐れる必要なないと思いますが、それでも野生動物のテリトリーの中に我々は「お邪魔をしている」という認識は必要なんだろうな~と感じております。
目の前に熊がいて、大変怖い思いをしましたが、それでも中々会えない貴重な熊と接することが出来、少し嬉しい気持ちもあったりします。
住み難く、熊にとっても色々大変な環境なんだろうと思いますが、是非、子孫を残して天寿を全うして欲しいと私は願っております。
皆様もくれぐれも熊との遭遇に注意して、楽しいお山ライフを送っていただけたらなと切に願っております!
最新のクマ出没のニュースについて書いた記事になります!
2019年の丹沢山塊は、熊の大量出没の年になりました。
新型コロナウイルスの影響についても書いてますので、良かったら参考にしてみて下さい!