奈良県の熊に襲われ崖から転落の事故と北山村について
12月14日(水)の12:40頃、奈良県上北山村で熊に襲われそのまま崖下に転落する滑落事故が起きました。
7:00頃に入山し、大普賢岳を目指していたところ、9:00頃登山道で熊に体当たりされ、そのまま30mほど滑落してしまったそうです。
まずは熊に襲われ転落して怪我を負われた登山者に対してお見舞い申し上げます。
最新の情報が入りまして、本日15日、死亡の確認となりました。
14日は吹雪でしたし、30mも崖から滑落となると生存は難しいだろうな~っと想像していたのですが、やはり現実のものとなってしまいました。
お亡くなりになった登山者のご冥福をお祈り申し上げます。
それにしても登山中に熊に体当たりされて滑落するとは、夢にも思わないプレイですよね・・。
北山村(かみきたやまむら)は、奈良県の南東部にある村になるのですが、広大な面積を要しておりまして、県内で2番目に広い村になります。
登山をしている人以外では、中々北山村の位置関係と広さが分からないかと思いますので、地図を添付したいと思います。
こちらが奈良県北山村の地図になるのですが、赤の破線内が村の面積さになります。
非常に面積が広い村になるのですが、大台ヶ原や弥山(日本百名山)、八経ヶ岳に隣接しているので、登山者にとっては馴染み深い村になります。
当初、北山村で熊の襲撃事故が起きたと聞いたものの、あまりにもエリアが広いので、何処で起きた事故だったんだろうと思ってしまったのですが、内容からしますと大普賢山の近くで起こってしまった感じです。
熊に襲われた場所と奈良県大普賢岳について
こちらが熊に襲われて転落事故が起きた大普賢岳(標高1,779.9m)の山頂になります。
大普賢岳は、景色が素晴らしい山になるもので、お気に入りの一座でございます。
大普賢岳山頂からの景色になるのですが、正面に弥山、八経ヶ岳を見ることが出来ます。
正面に見える稜線が「大峯奥駆道」になるのですが、今回熊に襲われ転落した登山者も、この大普賢岳からの景色を楽しみにしていたと思われます。
そして熊に襲われた場所ですが、大普賢岳から和佐又山の稜線で発生しております。
この区間の登山道は、アップダウンや切れ落ちた箇所が多く、結構危ないルートになります。
違う角度から撮った大普賢岳の様子になるのですが、写真の通り、結構切れ落ちたルートが多く登るのに骨が折れる感じになります。
大普賢岳への登山道の様子になるのですが、鎖場や桟道もあったりと結構危ない箇所が多いです。
こんな所でツキノワグマに襲われてしまったらと思うと、チビってしまいますね・・・
熊に襲われてしまった場所は、ここ数年ほど前から熊の目撃情報が多いエリアになります。
登山者が多く人気のエリアになるのですが、そんな人が多い所にもクマが出没しますので、油断なりませんよね。
奈良県の熊の生息域と生息頭数について
熊の事故が起きますと、気になるのが奈良県にはどれくらいの頭数生息しているのか?や、生息域になるかと思います。
奈良・和歌山県に鎮座する山が好きなもので、昔調べたことがあるのですが、正直なところ「確かなデータはない」になりました。
しかしながら、奈良県内では、毎年50件以上のツキノワグマの目撃情報がありますので、確実に生息していることが分かります。
里山が減少し、人が住む近くまで熊の生息域が広がっていると考えるのが妥当だと思います。
また、奈良県といっても、他の県と陸続きになりますので、「奈良県」に限定して熊の生息頭数を把握するのは限界があります。
そこで「紀伊半島」で調べてみると、少し前の情報になるのですが、約200頭前後の熊が生息しているという情報があったりします。
紀伊半島は、かなり広い面積になりますが、それを考えると200頭前後の予想生息頭数は少ないのではないかな~っと思ってしまいました。
南アルプスにクマは何頭生息しているのか?と似たような話だな~っと思ってしまったのですが、そちらについて書いた記事もありますので、良かったら参考にしてみてください!
また、紀伊半島の熊は、神奈川県の丹沢山塊に生息する熊と同じく、完全に孤立した状態になっておりまして、他の地域からの往来がない状態が続いております。。
これは、どのような影響があるかと申しますと、「血が濃くなってしまう」原因になります。
人間と同じく、ツキノワグマも血が濃くなってしまうと、奇形や遺伝子の問題が発生しますので、近い将来、個体数の大幅な減少などの問題になってしまう恐れがあります。
しかしながら、現状は、奈良県・和歌山県の熊目撃情報は増加傾向なので、引き続き生息域に足を踏み込む時は注意が必要になります!
まとめ
奈良県南部の山々は、一見すると暖かく雪が降らないイメージがあるかと思いますが、実はこの時期になりますと結構寒く積雪も多くなってきます。
標高2,000m弱の山塊にはなるものの、それでも下界と比べますと約12度ほど寒い世界(街の気温が0度なら山頂付近は-12度前後になる)になりますので、本来ならば熊も冬眠している時期になります。
そんな寒い時期にもかかわらず、熊が出没して人に危害を与えるというのは、やはり温暖化の影響なのかな~っと思ってしまいます。
また、今回の事故の場所は、若佐山という車で山頂近くまで行けれる山がありまして、近くにスキー場や、キャンプ場もあったりしますので、もしかするとキャンパーや登山者が残した残飯に味をしめた熊の仕業なのかな?と妄想してしまいました。
登山愛好家にとっては、12月に入れば熊は冬眠しするので安全だと思ってしまいますが、その考えを改めないといけないのかも知れませんよね。
滑落した登山者の安否が不明のままですが、無事に救助されることを切に願っております!
冬の登山は、1つ間違えると大きな事故になってしまいますので、引き続き十分注意を払って登山を楽しみたいものですよね。
私の地元であります丹沢山塊の熊の出没について書いた記事になります!
神奈川県にもツキノワグマは生息しておりますので、十分注意して登山を楽しみたいものですよね!
今回熊の事故が起きた大普賢岳を絡めえてテント泊縦走した時の記事になります!
奈良県吉野から那智勝浦までの170kmを登山した様子について書いてますので、良かったら参考にしてみてください!