新潟県弥彦山の雪崩による遭難の状況
1月13日の夕方頃に、新潟県の弥彦山で雪崩が発生し、60歳の女性が巻きまれてしまい、残念ながらお亡くなりになってしまいました。
雪崩の発生時間が17:00前で、雪崩に巻き込まれてしまった場所が登山道の1合目付近との事ですので、あと少しで下山という場所だっただけに残念ですよね。
登山口から近い1合目での雪崩の事故でしたが、それでも救助されるまでに30分以上掛かったという事ですので、山の中で何か事故が起きると、街中のように5分前後で助けが来ない事が分かりますよね。
雪崩の場合、運が良いと(顔付近い隙間が出来、呼吸が確保できていると)30分前後は生存可能と言われているだけに、今回の事故は残念でございます。
一緒に登山をされていた方の話が載ってますが、「上から雪が落ちてきた」との事ですので、雪崩なのか、それとも落雪なのかちょっと分からないですね。
雪崩の場合ですと、日中、天気が良く気温が上がった時間帯が怖いよな~と思っていたのですが、今回は夕方に起きてますので、雪山に登る時は絶えず注意を払わないといけませんよね。
まずは、雪崩によってお亡くなりになった方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今年は例年以上に積雪が凄い新潟県ですが、雪崩があった弥彦村の積雪は70cm以上あったそうです。
これだけ多く雪が積もると雪崩もそうですが「落雪」、「落氷」の威力も凄そうですよね~
鍛え抜かれた「石頭」と「頭でっかち」に誇りを持っている私なのですが、今年の寒さの前では無力に等しいよな~と思っております。
弥彦山とは!?どこにあるのか!?
冬山登山をしている私なもので、「雪崩」も他人事でないのですが、今回の新潟県の弥彦村にある「弥彦山」での雪崩事故には驚いてしまいました。
若い頃に「寺泊」という、大変お魚が美味しい地域に出没した時に「弥彦山」へも登ったことがあるのですが、ロープウェイもあったりと、比較的誰でも簡単に登れるお山でした。
雪崩が起きてしまった新潟県の弥彦山はこちらになります!
前述してます通り、弥彦山は新潟県にある山で、標高634mになります。
弥彦山は昔からの信仰の山で「新潟百名山」に数えられている名峰でございます。
比較的街からも近い山ですので、標高的に言っても関東でしたら「筑波山」、関西でしたら「六甲山」に似たような感じの山かと思います。
ただ、両山と違うのは、弥彦山はこの冬の季節になると、雪の量がとても多い事かと思います。
冬山登山は、積雪量の状況によって、標高だけでは登山の難しさが測れないものがありますからね~
※国土地理院より出典
弥彦山は、弥彦駅や海からも近く、「弥彦山ロープウェイ」もありますので、非常にアクセスが良いお山でざいます。
私が登った時は、「弥彦山スカイライン」で弥彦山の山頂近くまで行きました。
山頂からの展望が素晴らしく、今でもあの時の景色がよく覚えております!
ちなみに弥彦山スカイラインは、車のドリフトレースを描いた漫画の「頭文字D」の実写版の撮影がされた道路になります。
車やバイクで走る事が好きな方に喜ばれるくねくね道でございます。
雪崩の種類と発生件数
※気象庁より出典
少し古い資料になるのですが、平成23年までの雪崩の発生件数と死傷者数をまとめたものになります。
雪崩による遭難事故は、毎年必ず起きていることがわかります。
また、雪崩には2種類ありまして、「表層雪崩」、「全層雪崩」があります。
今回の弥彦山の雪崩の事故は、当時のの積雪の様子からすると「表層雪崩」だと推測しております。
表層雪崩は、積雪の上に大雪が降ると起きやすいと言われております。
今回の雪崩は、登山道の1合目付近で発生したとの事ですが、表層雪崩が起きやすいのは、山の斜度は30度~40度と言われております。
1合目付近の地形図(等高線)を見てみると、確かに起きなくはないかな~と思われる感じでした。
ただ、1合目付近で雪崩が発生するとは、想定出来ないよな~と思ってしまいました。
雪崩のスピードと破壊力
今回の弥彦山の雪崩については、一緒にいた登山者が「雪が落ちてきた」と言う表現から、それほどスピードは出てなかったのではないかと推測しております。
気になる雪崩のスピードと破壊力をまとめると、このようになります。
表層雪崩
雪崩の前面の速度は、時速100km前後になり、大規模な雪崩になりますと、新幹線と同じ速度(時速240km)になる事もあります。
雪崩の威力は、鉄筋コンクリートの建物を簡単に破壊するほどのパワーがあります。
全層雪崩
表層雪崩と比べ、速度はゆっくりな感じで、時速40~80km位で流れてくるそうです。
だいたい自動車と同じ位の速度であると言われております。
雪崩が流れてきた時の逃げ方
下45度位の角度で逃げると効果的だそうです。
雪崩に巻き込まれてしまったら、良く言われている通り「ジタバタしながら雪を泳ぐようにする」のが有効だそうです。
また、雪崩に巻き込まれ流されている時に、岩や木などに体をぶつけてしまい致命傷なる事がありますので、クッションの代わりになるザックは背負ったままが良いそうです。
まとめ
「新潟県の弥彦山で雪崩の事故」と聞いて、全く想像していなかった山域でのニュースで大変驚かされてしまいました。
今回の弥彦山は、標高も低く、雪崩の発生場所も登山道の1合目位付近と低い場所で起きてますので、積雪期の登山をする場合は、どんな場所でも雪崩・落雪に注意を払う必要があるな~と改めて感じました。
これだけ多くの雪が降ると、春の雪解けの時期は、雪崩が頻発して、それに合わせて遭難事故も多く発生するだろうな~と思ってしまいますよね。
私が住む神奈川県は、まったく雪が降っていないので、「雪崩」、「落雪」と聞いてもピンっと来ない部分があるのですが、雪国に住む方にとっては本当に大変な時期ですよね。
雪山での雪崩や落雪もそうですが、街中での雪かき中の事故も大変多いですので、そちらにも十分注意を払ってこの寒い季節を乗り切って欲しいよな~と切に願っております。
※去年、栃木県那須岳で起きてしまった雪崩の事故について書いた記事になります。
雪崩の兆候や威力、対策などについて書いてますので、良かったらご参考にしてみてください!
※地元の丹沢山塊で、滑落した登山者の救助のお手伝いをした時の記事になります。
救助されるまでに大変時間がかかり、とても長い1日でした。
良かったらご参考にしてみてください!