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新潟県御前ケ遊窟で遭難事故に思うこと。岩山のリスクと低山の怖さ

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新潟県御前ケ遊窟遭難事故

 

※毎日新聞より出典

 

 

新潟県阿賀野町御前ケ遊窟で8人が遭難

会津から登山で来ていた男性6名、女性2名の計8名が会越国境の秘境と呼ばれる新潟県御前ケ遊窟(ごぜんがゆうくつ)で遭難してしまったそうです。

 

現在、警察、消防の20名体制で遭難した8名の捜索を開始しているそうですが、未だ発見に至っていないそうです。

 

当初、9人で登山をしていたそうですが、そにうちの1名が体調不良を起こしてしまい、消防のヘリコプターで救助されたそうですが、その後もそのまま登山を続けて今回の遭難になってしまったそうです。

 

最初、この記事を読んだ時、???となってしまい、良く理解できなかったのですが、1名体調不良者が出た時点で登山をやめなかったのでしょうかね!?

 

それとも下山している最中に滑落事故や何かトラブルが起こったのかもしれません。

 

今回、遭難がおきてしまった新潟県御前ケ遊窟は、住所が「阿賀野町」になるのですが、先日、大きなニュースになった「五頭連山での親子の遭難死亡事故」のことを思い出してしまいました。

 

今回の遭難がおきた御前ケ遊窟は「阿賀野」ですが、五頭連山は「阿賀野」と同じような名前ですので、混合してしまいますよね・・・。

 

遭難した新潟の親子のように、最悪な事態にならなければ良いな~と心配しているところなのですが、今回の現場である御前ケ遊窟は、五頭連山からも近くビックリしてしてしまいました。

 

五頭連山での親子の遭難死亡事故から間もない時期なだけに、防げなかった遭難事故なのかな~と色々と考えてしまいました。

 

 

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五頭連山で起きてしまった親子の遭難事故について纏めた記事になります。

良かったらご参考にしてみてください。

 

御前ケ遊窟の詳細について

 

こちらが今回遭難事故が起きてしまった、新潟県にある御前ケ遊窟周辺の地図になります。

 

会越国境にある山並みに位置してまして、御前ケ遊窟の標高は846メートルになります。

 

既に雪解けが進み、周辺の山には積雪はないみたいですが、御前ケ遊窟は「岩山」になってまして、登山口から山頂までの行程が約3時間になります。

 

標高も低く、山頂までのコースタイムも短いので簡単な山だと思ってしまいますよね。

 

しかしながら、御前ケ遊窟は急峻の岩山に登山道がある関係で、登山レベルは「上級者向け」になっております。

 

御前ケ遊窟は、標高こそ低いですが、登山の難易度は高さでは測れませんからね。

 

登ってみないと分からない部分があるのが登山の怖さであり魅力であるかと思っております。

 

また、名前に「窟」と表記されてますが、岩山の斜面に洞窟のような穴(窪み)が多くあるのが特徴になりまして、過去を遡れば、落ち延びた将軍の婦人が隠れ住んだ伝説の岩窟といわれております。

 

私も借金取りに追われたときに逃げ込みたいな~と思ってしまうほど、複雑怪奇な洞窟をなしている御前ケ遊窟です。

 

登山の場合、御前ケ遊窟よりも、近くにある御神楽岳(標高1,387m)の方がよく登られているみたいです。

 

写真で確認しましたが、御神楽岳は紅葉・新緑の時期はとても綺麗で良さそうな山でした!

 

 

 

岩山での登山の怖さについて

今回遭難がおきてしまった御前ケ遊窟ですが、上述したとおり「岩山」になってまして、登山道もかなり痺れる感じの痩せ尾根箇所が多く「上級者向け」に偽りは無さそうだなと感じました。

 

また、国土地理院の等高線を見てみると、御前ケ遊窟の南側の斜面がかなり切れ落ちてまして、ここで滑落すると大惨事なることが予想されます。

 

御前ケ遊窟の山頂までは、岩稜歩きもさることながら、途中まで沢沿いを歩くコースになってますので、登山者初心者には荷が重いルートかと思われます。

 

また、気になったもので、新潟県の阿賀野町周辺の直近の天気も確認してみました。

 

すると、6月15日まで雨が降っていて、もしかすると登山前日の16日も天気が悪かったのではないかと思われます。

 

岩山登りで一番怖いのが「スリップ」になります。

 

ただでさえ怖い岩山の痩せ尾根歩きですが、そこに濡れた岩などがあると、一気に難易度が上がってしまいます。

 

また、雨が降ると斜面が緩みますので「落石」の恐れも増してしまいます。

 

数日前に雨が降っていようと、普通の山でしたら大して問題になる事は少ないですが、御前ケ遊窟のような岩山になりますと、かなり難儀することが予想されます。

 

足元が心もとないと、どうしても慎重に歩くので行程が遅れてしまいますし、時間の焦りは事故に繋がりますしね。

 

また、今回は8人(途中まで9人)と、大人数のパーティーですので、岩山で痩せ尾根が続く登山の場合は、どうしても時間が掛かってしまいます。

 

今回、遭難したパーティーは、「登山届け」をシッカリと出していたそうなのでアレですが、もしかすると計画に少し無理があったのかな~と感じてしまいました。

 

個人的に、数日前に雨が降った岩山の登山は躊躇してしまうのですが、天気の推移を見ていると御前ケ遊窟は避けたほうが良かったもしれないなと感じました。

 

雨で濡れた岩稜歩きですと、滑落のリスクが伴いますし、1名でも事故を起こしてしまうと進退窮まってしまう事もありますしね。

 

 滑落してしまった仲間を置いて下山できるかどうか・・・

 

色々と高度な判断が必要になりますよね。

 

御前ケ遊窟でビバークして大丈夫か!?

 現在の御前ケ遊窟周辺の天気と気温を見ていると、雨は降ってないみたいですし、最低気温も15度前後と高く、ビバークしても「低体温症」の危険は少ないかと思われます。

 

御前ケ遊窟の標高が約900mですが、標高が100m上がると気温が0.6度下がりますので、山頂付近でも10度前後はあるかと思われます。

 

8人いれば、皆で囲んで暖を取ることもできますので、滑落事故でない限り、今すぐ命に関わるような事態にはなっていないのではないかと推測しております。

 

上述したとおり、御前ケ遊窟は洞窟のような物陰が多い山なので、雨風凌げて逃げ込めるような場所もあるかも知れないな~と感じております。 

 

恥ずかしい話になるのですが、私も過去に下山できず、ビバークしたことがあります。

 

ビバークは、「緊急野営」というのですが、簡単に書くと、「テントや寝袋などの装備もないまま山の中で泊まること」になるのですが、とても悲惨な目に遭いました。

 

ビバークの辛さが分かるだけに、今回、新潟県の御前ケ遊窟遭難した8人の状況を思うと言葉がありません。

 

8人の装備が、それなりにシッカリしていれば良いのですが、その辺については報道されてませんので、現状不明な感じでございます。

 

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 明るいうちに下山できず、ビバークした時の状況を書いた記事になります。

良かったらご参考にしてみてください。

 

 

まとめ

今年のGWの後半から、山岳遭難事故が多発してますが、今回も標高の低い山での遭難に驚いている方も多いのではないでしょうか。

 

遭難・滑落事故は、標高の高い山で起きる事故だと思っている方も多いのかな~と想像しているのですが、今回のような低山の方が逆に怖かったりします。

 

メジャーな山での登山の場合、シッカリと鎖や梯子などの整備が行き届いていることが多いですが、あまり登られていない山の場合になりますと、そこまで整備がされていないことが多いです。

 

必要最小限の整備と、簡単な案内(道標)くらいしかない場合もあります。

 

どんな山にもリスクがある事を頭の片隅に入れて、登山を楽しみたいものですよね!

 

遭難し、行方が分かっていない8人が無事に救助される事を切に願っております。

 

※2018年6月18日20:30加筆

6月18日の午前中に、遭難した8名全員無事に下山できたそうです。

大きな怪我もなく、本当に良かったですね。

遭難した詳細は分かりませんが、五頭連山の様な最悪な事態にならなくて安堵しております。

引き続き、山で事故を起こさないよう細心の注意を払って楽しみたいものですよね!