槍ヶ岳滑落事故が発生!遭難した3人が死亡について
5月3日に北アルプスの名峰槍ヶ岳へ登山している3人組のパーティーのうち、1名の方が滑落事故を起こしてしまいました。
ニュースによりますと、「北アルプスの飛騨乗越付近で滑落した!」と書かれてますが、あの周辺は、滑落するような場所ではないので、槍ヶ岳直下やバリエーションルートである北鎌尾根上ではないのかな?と思ってしまいました。
この時期の槍ヶ岳は、まだまだ積雪が深く、風が強い場所になりますので雪庇も発達しやすい地形になります。
誤って雪庇を踏み抜いて滑落したのかは分かりませんが、遭難した残りの2名も無事に見つかることを願わずにはいられません。
槍ヶ岳周辺で滑落事故ならば、営業している槍ヶ岳山荘がありますので、そちらに逃げ込むことが可能なのが救いですよね。
ちなみに槍ヶ岳山荘を含む、周辺の山小屋の営業期間は、調べてみるとこんな感じでした。
- 槍ヶ岳山荘 4月27日〜11月3日
- 槍沢ロッヂ 4月27日〜11月3日
- 岳沢小屋 4月27日〜11月3日
- 南岳小屋 7月15日~10月16日
- 大天井ヒュッテ 7月15日~10月16日
これ以外にも、今回の滑落事故が起きが槍ヶ岳周辺には山小屋があるのですが、去年は新型コロナの影響で休業している所が多かっただけに、営業再開が出来て良かったですよね!
例年、GWの時期になりますと、4月末頃から北アルプスの山小屋は営業再開するのですが、それに合わせて多くの登山者が入山します。
そして、一部の方が天候を味方に出来ず遭難します・・・。
過去の記録等見ていると、GWは北アルプスを始め全国的に遭難事故が多発する時期になります。
今回の3人組の登山者も、天気を味方に出来なかった感じですが、不謹慎なことを申しますと、それでも3,000mまでこの時期に登ったのは凄いの一言になります。
山小屋が営業しているとは言っても、この時期に槍ヶ岳まで登るのは容易なことではありません。
入山できる登山口も限られ、槍ヶ岳山頂までのアプローチも長いので、登山素人が相手に出来るような山ではありません。
遭難した3人は、それなりに登山の熟達者であると思われますが、それでも天候を読むことが難しく、判断を間違えてしまったんだろうな~と感じてしまいました。
登山をしたい気持ちは痛いほど分かるのですが、今年のGWは、本当に天候に恵まれず、森林限界以上には立ち寄らない事に尽きるよな~と天気図を眺めながら思っておりました。
私も南アルプスへ登山を考えていたものの、仕事の関係で行けれなかったのですが、このGW中の天気予報ならば間違いなく入山は控えていたはずです。
先日も八ヶ岳の最高峰であります赤岳で遭難事故が発生しましたが、事故の原因の1つとしてあるのが天候の悪化になります。
4月30日頃から季節外れの強い寒気が日本上空に居座り、その影響でGWの前半は、大気が非常に不安定になっておりました。
遭難死のあった赤岳につきましても、山頂は吹雪になっていたのですが、今回の槍ヶ岳も同じような天候であったと思われます。
視界の利かない中で登山をするのは、滑落や転倒の危険性をはらんでおりますので、本当に危険ですよね。
数年前にも、槍ヶ岳・穂高岳周辺で遭難騒ぎがありましたが、例年、GW中は天候が安定せず、一度悪天候になりますとドカ雪が降り逃げ出せない事がしばしばあります。
山小屋がやっているからと安易に考えず、自分の実力にあった山へ登ることが命を守るうえでも重要ですよね。
今回の滑落事故の現場であります槍ヶ岳周辺は、相当気温が低く寒いはずですので、一刻も早い救助が待たれますし、元気な姿で見つかって欲しいものですよね。
昨日の遭難時より、自体が深刻に推移してしまい、3人のが死亡が確認されました。
一時期、2人に関しましては、心肺停止の状態だったのですが、非常に残念です。
状況からしますと低体温症による凍死と思われます。
非常に厳しい状況になってしまいましたが、二人の回復を切に祈ると共に、お亡くなりになった3人の登山者のご冥福をお祈り申し上げます。
白馬岳の遭難騒ぎと言い訳に思う事。GWは遭難が多い時期
GW中の4月30日に、北アルプスの白馬岳に登山をしていた2人が遭難する事故が発生しました。
上述してます通り、今年のGWは天候が悪く、北アルプスを始め、高山はどこも吹雪の所が多かった感じです。
槍ヶ岳の滑落事故と違い、この白馬岳での遭難は、かなり頭にくる内容でして、登山者としては失格であると思います。
事の発端は、宿泊を予約していて白馬山荘に2人が到着せず、心配した山荘が警察に通報したのが始まりになります。
当時、白馬岳周辺も吹雪の状況でしたので、心配するのも無理のない話ですよね。
2012年のGW(5月4日)にも白馬岳を登山中の6人パーティが吹雪に遭い、低体温症症で全員亡くなる事故がありましたので、その時の事を思い出した山小屋の関係者も多かったと思います。
結果、翌日に1名は無事に救助され、もう1名は自力で下山したのですが、ニュースによりますと「遭難した覚えはない」という趣旨の発言(言い訳)をしているそうです。
いやいや、予約した山小屋に到着できない時点で、それは遭難でしょう!
と、意味が分からない言い訳に対し、激しくツッコんでしまいました!!
せめて連絡が出来る地点で「宿泊のキャンセル」を入れなれければ、山小屋の方も心配してしまう事が分からなかったのでしょうかね!?
下界のホテルですらキャンセルの連絡は必要ですし、そもそも山の上にある山小屋ならば、「遭難したのではないか?」と疑ってしまうのは容易に分かりますよね。
経験上、予約した登山者と連絡取れず、日没までに来ないと、山小屋は状況を把握するために、最寄りの山小屋に連絡して、該当者が通っていないかを確認したりと、かなり心配してくれます。
※山小屋によって対応は違うと思いますが。
キャンセルの連絡を入れないのは、登山初心者なのか、常識がないのか?、頭が悪いのか!?のどれかに該当すると思うのですが、自分の軽率な行動により、色々な方に迷惑を掛けたという気持ちがないんだろうな~と強く感じてしまいました。
一緒に登山した方が29歳ということですので、憶測ですが、同年代の方だと思います。
子供じゃないんだし、事の重大さを認識して欲しいと感じました。
遭難者を捜索するのも命がけです。
ただ、死ななかったのは何よりですよね。
下山を選ぶ判断が出来たならば、もう一度山のマナーや経験を積んで、再チャレンジしてみても良いのではないかとも思いました。
人間、色々な経験を積むことにより、変われる生き物ですからね。
こんなことを書くと「甘い」と言われてしまうかも知れませんが、山で死なないのは正義であるとも思ってます。
過去のGWで発生した、北アルプスの剱岳、白馬大雪渓の山岳事故について書いた記事になりますので、何かの参考になれば幸いです!
富士山で滑落事故が発生と事故の内容について
槍ヶ岳、白馬岳に続きまして、今度は富士山へ登山中の登山者が滑落し、標高2,700m付近の登山道で倒れてるのが見つかったそうです。
この滑落して倒れている登山者を発見し通報したのも、同じく富士山へ登っている最中の登山者であることが、この遭難騒ぎの根の深さを物語っていますよね。
閉山後の富士登山は、基本、入山禁止になっているのですが、あくまでも「お願いベース」ですので、ニュースの通り「立ち入らないことを呼び掛けている」程度の強制力になります。
新型コロナにつきましても、「自粛しろ」と政府が呼び掛けてますが、強制力がほぼないですよね。
閉山後(冬季)の富士登山につきましても、それと同じかそれ以下の強制力しかありませんので(条例等が色々ありますが・・)、登山自体は禁止ではありません。
しかしながら、上述してます通り、5月上旬は天候が安定せず、風が強く荒れると天気予報でも注意されておりました。
富士山は、独立峰になりますので、周辺に遮るものがなく、普段から風が強い山として有名ですよね。
今回の滑落事故も、強風にあおられて体制を崩してしまったのかな~と思ってしまいました。
まだまだこの季節の富士山は積雪が多く、また、冷たい強風により地面がアイスバーンのように凍り付きますので、非常に滑りやすいことでも有名です。
冬季の富士山への登山は、ピッケル、12爪アイゼンを使っても、簡単に滑ってしまうと言われるくらいツルツルな所を登らなくてはなりませんので、1つのミスが滑落事故を誘因し、簡単に命を落としてしまいます。
そんなツルツルの所で滑落してしまいますと、簡単には止まることが出来ず、300、400mと凄いスピードで落ちてしまいます。
富士山は、遠くから見るとなだらかに見えますが、実際の山肌には大小様々な岩が多く点在し「落石が多い山」としての側面もあります。
スピードが付いた状態で滑落し岩にぶつかれば、結果は言わなくても分かりますよね?
富士山で滑落事故を起こすと、遺体の損傷が激しくなるのは、この影響によるものになります。
今回滑落事故を起こした方は、頭からの出血や足の骨折などがあるみたいですが、命に別条がなかったのが救いでしたよね。
過去にありまして、富士山の滑落事故について書いた記事になります。
上述してます通り、冬季の富士山で滑落しますと、止まりませんので、かなり厳しい結果になってしまいます。
まとめ
新型コロナが叫ばれている中、登山で遭難事故を起こしてしまうと、世間から白目で見られてしまいますよね。
ただでさえ、毎年遭難騒ぎを引き起こす登山愛好家に対する評判は、決して良いものではないと感じております。
登山をしない方にとっては、「大事な税金を使って、無謀なことをしている人間の救助をしなければならないのか?」と言った疑問が出てくるのも仕方がない事だと思います。
また、滑落事故などを起こせば、病院で治療が必要ですが、新型コロナの影響で医療体制も逼迫しておりますので、中々世間の理解は得られないものがあるとも感じております。
山の魅力や登山の楽しさを身をもって知っている私にとっては、「山へ登るな!」とは言えないところがあるのですが、リスクの高い趣味であることに変わりはありませんので、天候に十分留意し、自分のスキルにあった山を選んで楽しむことが重要であると思います。
遭難や滑落事故の原因や状況を知ることは、教訓となり、自分にとっても有益であると考えております。
次は我が身と思い、気持ちを引き締めて、これからも登山を楽しんでいけたらなと思っております!
館山で起きました滑落時について書いた記事になります!
北アルプスの山岳事故の状況と発生件数についても触れてますので、良かったら参考にしてみて下さい!