阿弥陀岳での遭難者が新型コロナに感染!?滑落事故の詳細
4月25日に、八ケ岳連峰の中でも人気の高い阿弥陀岳(2,805m)へ登山中に滑落・遭難し、救助騒ぎがありました。
阿弥陀岳の御小屋尾根(2,500m付近)で滑落し、動けなくなってしまったそうです。
今年は暖冬で、八ヶ岳は例年よりも雪が少ないと言われておりますが、ここのところ寒い日が続いてましたので、標高2,500mですとまだまだ凍結や雪が多く積もり歩き難かったと思います。
5月が見えてきているこの時期ですが、森林限界を越えた2,500m以上の環境は、まだまだ冬山で登山素人が手を出すには危険な場所になります。
今回、都内在住の36歳男性の方が阿弥陀岳付近で滑落し、遭難したのですが、このニュースを見聞きし、なんともやるせない気持ちになってしまいました。
阿弥陀岳の御小屋尾根は、ガレた場所や梯子などもあって、中々ヤンチャなコースなのですが、よくこの登山自粛が叫ばれている中で登ったものだと驚きと共に怒りを覚えてしまいました。
ただケガを負っただけならまだアレですが、病院に運ばれケガのCT検査をしたところ、肺に新型コロナウイルスの症状と思える所見があり、急遽、PCR検査を受けることになりました。
現在、新型コロナウイルスの感染が分かるPCR検査は、結果が分かるまで2日間ほど掛かります。
※技術が向上中で、近いうちに新型コロナウイルスに感染しているかどうの診断が更に早まると思います。
遭難した男性が、新型コロナウイルスに感染しているか判明するまでの間、救助に携わった救助隊が「濃厚接触者」になってしまい、その為2日間も自宅待機になってしまいました。
遭難事故の救助は、非常に大勢の人員が必要になるのですが、今回の阿弥陀岳の滑落事故では山岳遭難救助隊員ら約10名の方が関わっていたそうです。
私も2度ほど滑落現場に居合わせ、「第一通報者」として山岳救助のお手伝いをした事があるのですが、その1つはヘリコプターでの救助が上手くいかず、地上部隊と航空部隊の両方で救助活動となり、警察・消防等で30人以上は動員されたと思われます。
今回の阿弥陀岳の遭難事故は、ヘリコプターでの救助になったので10名前後の隊員で済みましたが、これが地上での救助になりますと、更に人員が必要になります。
幸いなことに、阿弥陀岳で滑落した男性は、左手首骨折の重傷にはなりましたが、命に別状はありませんでした。
また、懸念された新型コロナウイルスのPCR検査の結果も陰性と判明し、それに伴い「濃厚接触者」として自宅待機していた山岳遭難救助隊員らも解除され、通常業務に戻りました。
今回の遭難者が新型コロナに感染か!?といった事例は、初めてになるそうです。
救助する方も、まさか遭難者が新型コロナに感染しているは思いもしませんよね。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないと、同じような出来事が起こりそうで怖いですよね。
登山自粛と新型コロナ感染の関係について
こちらの記事で詳しく書いているのですが、4月21日に、日本の主要な山岳団体(日本山岳協会等)から、会員や登山愛好家に向けて「登山自粛のお願い」の通知が発表されました。
今回の阿弥陀岳の滑落事故を起こした登山者も、4月25日に登山してますので、この通知は見聞きしていたのではないかと思われます。
仮に見聞きしていなくても、緊急事態宣言が発令され、これだけ多くの自治体から「不要不急の外出は控えてください」とアナウンスされている状況ですからね。
この登山自粛のお願いの中に書かれているのがこちらになります!
クライミングや山スキー等で遭難事故を起こしてしまった場合、医療システムへの負荷を高めてしまうことを想像して、強く自粛をお願いいたします。
欧米での感染爆発が数週間後の日本であることも想像して、節度ある論理的な思考で行動をお願いいたします。日本山岳会より引用
日本山岳会からの引用になるのですが、まさにその通りだと思っております。
一見、登山やアウトドアは「3密」と縁遠く、新型コロナウイルスの感染には無関係だと思ってしまうところもありますよね。
私自身、人の少ない山に行けば新型コロナウイルスに感染はしないと思ってます。
しかし、登山自粛の通知の通り、滑落・遭難事故を起こしてしまうと、医療関係者の負担になることは明白ですよね。
ただでさえ、新型コロナウイルスの感染者で病床に余裕がなく、医療資材も不足している中で、趣味でケガした人間の治療に対応する医療関係者の気持ちを考えれば、登りたい気持ちを抑えて自粛が重要である事は直ぐに分かると思います。
私を含め、多くの登山愛好家は山に行くのを我慢しております。
天気が良ければ山に行きたいのは素直な気持ちです。
新緑が美しいこの時期は、登山するのに最高の季節になります。
それが分かっていても、何が起こるか分からない登山の怖さを知っているので、皆さん自粛をしているのです。
不要不急の外出が叫ばれている中にあって、自分勝手な行動が、どれだけの他人の迷惑になるか考えが及ぼないのでしょうか。
36歳って、子供ですか?
自営業されているそうですが、そんな思考で事業が上手くいきますかね?
少なくても、私はそんな人間の相手はしませんし、同じ趣味を持つものとして非常に恥ずかしいです。
自分勝手な行動が、多くの登山愛好家の信用を著しく下げてしまっていることが分からないのでしょうかね。
恥ずかしくて「登山を趣味にしてます」って、言えませんよ。
根拠のない「自分は大丈夫」という良く分からない自信があって登山をしたんでしょうが、山の怖さを知らない人間は正直登って欲しくはありません。
新型コロナウイルスなんて関係ない!といって、多くのギャンブラーがパチンコ店に出入りしておりますが、この遭難した男性と根っこは一緒だと思います。
人間ですので、不注意で滑落したり、道迷いから遭難してしまう事はあったりします。
防げる事故、防げない事故があるのは事実ですが、今回の阿弥陀岳の滑落・遭難事故は許せるものではありません。
救助隊員まで迷惑をかけて猛省して欲しいと思います。
ただ、山で死ななかっただけ、それが救いだとも思ってます。
きっと、救助に駆け付けた隊員も、同じ気持ちだと思います。
山は逃げませんので、新型コロナウイルスが収束するまで登山は自粛し、周りの迷惑にならないよう注意して生活したいものですよね。
八ヶ岳行者小屋の山小屋荒し(空き巣)について思うこと
八ヶ岳の阿弥陀岳の滑落・遭難・新型コロナウイルス騒動と同じくして、裾野にあります行者小屋で山小屋荒しがあったそうです。
登山家の野口さんが遭難者の新型コロナ感染と、行者小屋の山小屋荒しについて言及しております。
大人の事情で顔にボカシを入れているのですが、野口さんは凛々しい顔立ちなもので、モザイクしていても顔が妄想出来ちゃいますよね(笑)
18禁の動画も、これくらい妄想できると嬉しんですけどね~♡
なんだか良く分からなくなってきましたが、「山小屋荒し」と書くとアレですが、これは窃盗・住居侵入等の完璧な犯罪ですので、滑落・遭難事故の比ではないですよね。
行者小屋も、新型コロナウイルスの影響で、4月27日(月)~11月30日(金)まで宿泊営業、テント泊等休業が決まっております。
こちらが今回山小屋荒しの被害に遭った行者小屋になります。
行者小屋は、テント場もありまして、水場も冷たくて美味しく、雰囲気の良い山小屋になります。
八ヶ岳の主峰赤岳へのアプローチも良いので、行者小屋を拠点に登山されることが多い人気の山小屋になります。
こちらは行者小屋からの眺めになるのですが、八ヶ岳の赤岳は勿論の事、横岳・大同心・小同心の絶壁の景色が素晴らしい山小屋になります。
今回の行者小屋の窃盗・空き巣騒ぎですが、現在犯人は捕まっていないそうです。
山深い場所に行者小屋がありますので、考えたくはないですが、登山関係者が犯人かな!?と思ってしまいます。
八ヶ岳の山小屋も、新型コロナウイルスの影響で、どこも休業を決めてますので、それを見越した卑劣な犯行ですよね。
なんだか世も末だな~と思ってしまった行者小屋の事件になります。
こちらは1日も早く犯人が捕まることを願わずにはいられません!!
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、山小屋を始め、飲食店なども休業が相次いでおりますが、行者小屋の山小屋荒しと同様に、空き巣の被害が相次いでいるそうです。
お店を休業し、収入が断たれた中で店内の商品を盗まれてしまったら、新型コロナウイルスが収束した後の生活再建に支障をきたすのは明白ですよね。
弱り目に祟り目と言いますが、こんな理不尽なことが許される世の中なのかと思ってしまいます。
新型コロナウイルスの影響に伴う、登山自粛の最中での遭難事故になりましたが、事故を起こせば大炎上することはある程度想像できましたよね。
私は「不要不急の外出自粛のかな、登山で遭難騒ぎを起こしたら抹殺される」と思っておりました。
私でも想像できるのに、何故そこまで考えが及ぼないのか理解できないのですが、引き続き訳の分からない登山者は無視をして、粛々と登山の自粛に励みたいと思います。
今回の新型コロナウイルスの影響前に起きました、八ヶ岳阿弥陀岳の滑落遭難事故について書いた記事になります!
丹沢山塊で遭遇した遭難事故について書いた記事になります!
第一通報者になった遭難事故なのですが、始めから終わりまで見届け、その間の警察・消防とのやり取りについてと、事故の教訓をまとめております。
良かったら参考にしてみて下さい!
阿弥陀岳に引き続き、日光男体山でも遭難事故が起きてしまいました。
新型コロナの影響で、登山自粛が叫ばれておりますが、繰り返す遭難事故に怒りが込み上げ的ます。
登山自粛が叫ばれている中で、今度は上州の妙義山で滑落事故が起こってしまいました。
妙義山の登山やコースについても触れてますので、良かったら参考にしてみて下さい。