奥秩父主脈縦走路には、数多くの名山が鎮座してますが、登山口から遠く、知名度がパッとしない山が少なからずあったりします。
その中でも不遇な1座としてあるのが、今回ご紹介する飛龍山(大洞山)になります。
東京都の最高峰である雲取山よりも標高が高く、山の名前も格好いい飛龍山ですが、幾つかある登山口から入山しても山頂まで遠く、簡単に人を寄せ付けないのが災いし、非常に知名度が低かったりします。
今回は、地味だけど味わい深い飛龍山への登山について解説したいと思います!
- 飛龍山へ登山した経緯とシャクナゲについて
- 飛龍山登山!五十人平野営場から雲取山への登山ルート詳細!
- 飛龍山(大洞山)登山!呼び方(読み方)とシャクナゲ、北尾根の登山ルート詳細
- 飛龍山の禿岩からの展望の詳細について
- 飛龍山から前飛龍山、熊倉山、丹波天平登山とルートの詳細
- 飛龍山、熊倉山、丹波天平登山の登山ルート・標高差・コースタイム詳細
- まとめ
飛龍山へ登山した経緯とシャクナゲについて
今回の登山の目的は、「五十人平野営場でテント泊!」だったもので、正直、それしか決まってなく、入山ポイントや登山ルートをどうするか全然考えてませんでした。
折角、五十人平野営場に泊まるなら、崩落による通行止めが続いていた未踏の「唐松林道ルート」を使いたいと思い、準備を進めることに致しました。
唐松谷林道ルートは、よ~やく登山できるように整備されたと風の噂で聞いていたもので、ドキドキしながらその日を待つことに致しました。
念の為、登山前日に登山ルートの状況を調べてみると、大雨に伴う崩落によって、再度、唐松谷林道が通行止めになっている事が分かり、「どうしましょう!?ヤバいざます!!」となってしまいました。
色んな意味で既に時間切れであることから、普段から歩き慣れた鴨沢ルートで七ツ石山を経由して五十人平野営場へ向かったのですが、その際、GWに登ろうと思っていたものの悪天で出没できなかった飛龍山を思い出し、1泊で周回登山することに致しました。
季節的に飛龍山のシャクナゲが見頃かな~っと思ったのが1つの要因になるのですが、少し遅かったもののギリギリ鑑賞出来てラッキーな1日になりました!
そんな感じで今回は、五十人平野営場で1泊した後、雲取山経由してシャクナゲの名所として有名な飛龍山への登山と、新緑が美しい丹波天平について書いていきたいと思います!
まずは、テント泊した五十人平野営場の様子について書いた前回の記事がこちらになります!
お祭りバス停付近から入山し、七ツ石山を経由して五十人平野営場でテント泊した記事になります。
そしてこちらが飛龍山へ登山中に撮影した登山動画になります!

上記写真を押すと、YouTubeで動画を観ることが出来ますので、飛龍山やシャクナゲ、熊倉山、丹波天平周辺の登山ルートの様子と美しい景色を堪能していただけたらと思います!
飛龍山登山!五十人平野営場から雲取山への登山ルート詳細!
朝から「謎ラーメン」をモリモリ食べ、無性に眠くなってしまったのですが、テントを撤収し五十人平野営場から雲取山、飛龍山を目指して登山スタートしたいと思います!
また、季節を変えて五十人平野営場でテント泊したいと思います!
五十人平野営場から眺める富士山の景色になります!
朝は空気が澄んでいるので、綺麗に見ることが出来ました♡
今日の獲物である飛龍山になります。
雲取山を経由して奥秩父主脈縦走路を使って山頂を目指したいと思います!
五十人平野営場から少し登れば目指す雲取山の山頂が見えてきました!
昨日も登りましたが、東京都最高峰である雲取山の山頂に到着です!
朝早いですが、雲取山の山頂は登山者でモリモリでした。
山頂の近くに避難小屋があるのですが、だいぶ宿泊した方が多かったみたいです。
雲取山の山頂から眺める五十人平野営場方面の景色になります。
やはり五十人平野営場を使うと雲取山への登山は簡単で良いですね~
ただ、今回の様に飛龍山を絡めると一気に難易度がマシマシになるので、そこら辺は登山者の「Mな乙女指数」によって変動する部分かも知れませんね(?)
そんな感じで計画通り雲取山から飛龍山を目指して登山再開したいと思います!
飛龍山(大洞山)登山!呼び方(読み方)とシャクナゲ、北尾根の登山ルート詳細
雲取山から飛龍山(大洞山)への登山ルートは、こんな感じの癒しの尾根道が暫く続きます。
アップダウンも少なく、このまま平和であって欲しいな~っと願わずにはいられない時間となりました。
なだらかな登山ルートを歩いていると、テント泊に最適な?「狼平」に到着しました。
駄目なことは分かっていますが、何度来ても「ここでテント泊したい!」っと思ってしまいます。
雲取山から飛龍山(大洞山)への登山は、一気に人気がなくなり寂しいルートになります。
なんだか熊が出そうだな~っと思い、「熊おどし」を使ってみることにしました。
熊おどしは、爆竹を使って大きな音を響かせる熊よけグッズになるのですが、熊鈴よりも軽いので、テント泊縦走のお供に最適だったりします。
今年から熊おどしを使うようにしているのですが、絶えず鳴り響く熊鈴よりも静かな時間を楽しめるので、私には合っている感じです。
こちらの記事で熊おどしの使い方など詳細に書いてますので、良かったら参考にしてみて下さい!
爆竹遊び?を満喫したところで、引き続き飛龍山(大洞山)を目指して登山していると、「蜀の桟道」のよう登山ルートになります。
北伐するのって大変だよね~っと思いながら、なぜ、韓信は達成できて孔明は駄目だったのか興味が尽きませんよね。
歴史ロマンを探求する登山ブログ『アオヒゲ危機一髪チャンネル』がお届けいたします(?)
飛龍山へ至る奥秩父主脈縦走路は、時々素晴らしい景色を見せてくれます!
登山者も少なく静かなので、個人的には雲取山から飛龍山間の登山ルートが好きだったりします。
それにしても見渡す限り山しかありません!!
天気も良く絶好の登山日和ですよね♡
飛龍山を目指して登山していると、三条の湯との分岐地点である「北天のタル」に到着しました。
ここから三条の湯の方に進むと水場があるのですが、地味に距離があるので現実的ではないものの、緊急度によっては利用する価値があると思います。
飛龍山方面から振り返っての雲取山の景色になります。
今日も天気が良いので、今頃山頂は登山者で溢れ返っているんでしょうね~
それに引き換え、飛龍山周辺は登山者が皆無でございます。
見落としやすいのですが、こちらが飛龍山の山頂への近道になります。
ここを使わず禿岩方面からも飛龍山の山頂へ登れるのですが、雲取山方面から来るならば、こちらのルートを使った方が時短になります。
ただ、シャクナゲが藪チックになっている所があるので、その辺は気分次第ですかね。
少し急な坂道をこなすと本日のメインディッシュの1つである飛龍山の山頂に到着出来ました!
飛龍山の標高は、2,077mになりまして、山梨百名山に選ばれている名峰になります!
山梨県では「飛龍山(ひりゅうさん)」と呼ぶのですが、大洞川の源頭にある事から埼玉県では「大洞山(おおぼらやま)」とも呼ばれております。
登山地図では、山名が両方記載されてますので、読み書きは「好み」になりますかね。
飛龍山(大洞山)の山頂から禿岩方面に進むと、北西の方に明瞭な踏み後との分岐が出てきます。
左手(南側)へ進むと禿岩方面、北西の方に進むと飛龍山北尾根ルートとなります。
今まで未踏だったので、今回はシャクナゲの藪が酷い飛龍山北尾根を歩いてみたいと思います!
飛龍山の山頂から一気に高度を下げていくと、噂以上に酷い石楠花の藪となります。
薄っすらですが踏み後が付いているので、そのまま進むと、上記写真の大岩が見えてきます。
ここを左側に下っていきます。
大岩伝いに下っている様子になります。
この辺は、石楠花の藪が薄く比較的歩きやすいです。
ここまで来るのが飛龍山北尾根の核心になると思います。
なお、飛龍山北尾根ルートには、マーキングの類は一切ありませんでした。
飛龍山北尾根を進むと徐々になだらかになります。
真っすぐ進むと奥秩父主脈縦走路と合流できそうな感じだったのですが、グッと我慢し、右側(北)へ進みます。
飛龍山北尾根からの唐松尾山方面の景色になります。
右に見えているピークが「大常木山」になります。
大常木山、竜喰山の登山については、こちらの記事で詳しく書いているので、良かったら参考にしてみて下さい!
飛龍山北尾根から眺める南アルプスの景色になります!
だいぶ雪解けが進みましたね~
左下に見えているのが奥秩父主脈縦走路になります。
大常木山と飛龍山のコルで合流したいと思います。
無事に飛龍山北尾根を攻略し、奥秩父主脈縦走路で禿岩を目指していると、涸れることが多い水場が見えてきました。
飛龍山の貴重な水場になるのですが、今回も不味いお水だったので、あまりおすすめしません。
今回、唯一咲いていた飛龍山のシャクナゲのお花になります!
なんとか鑑賞できてよかったのですが、もっと綺麗に撮影したかったと後悔している誰かさんになります(笑)
今年の飛龍山周辺のシャクナゲは、お花が少なく駄目な年だったみたいです。
飛龍山の禿岩からの展望の詳細について
続きましては、展望が悪い飛龍山の「展望台」としてあるのが禿岩になります。
飛龍山の山頂から直ぐの所にあるのですが、奥秩父方面の景色が素晴らしいので、寄ってみたいと思います!
こちらが禿岩から眺める富士山と、手前に鎮座する大菩薩嶺の景色になります!
いや~雄大な景色ですね~☆彡
飛龍山北尾根から見えていた大常木山と、甲武信ヶ岳方面の景色になります。
何処までも続くよ奥秩父主脈縦走路!って感じの景色ですよね!
奥の平らな山が「白石山」になります。
「和名倉山」とも呼ぼれる名峰なのですが、久しく登っていないので、何処かで出没したいな~っと禿岩で妄想してしまいました♡
今日は天気が良く、禿岩から南アルプスの稜線が綺麗に見えました!
この時期は湿度が高く、モヤモヤな景色が多いのですが、今日はカラッとしていてラッキーでした!
手前のモッコリが目指す前飛龍山になります。
前飛龍山から先も地味に辛いアップダウンがあるので、今から恐れおののいている誰かさんになります。
それにしても禿岩からの富士山の眺望が素晴らしく、重いテント泊装備で飛龍山まで来た甲斐があるってもんですよね!
禿岩の展望を楽しんでいると、登山者がチラチラ来たので、前飛龍山を目指して進むことにしました。
なお、この分岐から(左側)飛龍山の山頂に登ることが出来ます。
飛龍山から前飛龍山、熊倉山、丹波天平登山とルートの詳細
そんな感じで飛龍山から前飛龍山を目指して進んでいくと、無事に山頂に到着することが出来ました!
前飛龍山の標高は、1、954mになりまして、このピークは展望が悪いです。
少し先に景色の良い所があるので、進みたいと思います。
こちらが前飛龍山の山頂から直ぐ近くにある展望地になります!
見えている中央の尾根が、これから登る熊倉山、丹波天平方面になります。
前飛龍山からだと、まだまだ距離がありますね~~
そしてこちらの前飛龍山には、破線ルートの「岩岳尾根」の登山口があります。
ワイヤーで閉鎖な感じですが、こちらから進むと道の駅たばやま方面に下山することが出来ます。
飛龍山、前飛龍山から岩岳尾根への登山について書いた記事になりますので、良かったら参考にしてみて下さい!
前飛龍山から熊倉山への登山ルートは、かなりの急坂になります。
暫く下ると美しい樹林帯歩きになるので、ここまで我慢の時間帯になります。
結構きついアップダウンを数回繰り返すと、熊倉山の山頂に到着出来ました!
熊倉山の標高は、1,624mになりまして、山頂の裏側からバリエーションルートで道の駅たばやま方面に下ることが出来ます。
こちらのバリエーションルートも未踏なので、いつか歩いてみたいな~っと考えております!
熊倉山から徐々に標高を落とし、三条の湯との分岐である「サオラ峠」に到着しました。
吹き抜ける風が爽やかで、ついつい私の笑顔と勝負しちゃいました!(???)
丹波天平は「紅葉」のイメージが強かったのですが、新緑の時期も緑が濃く、美しい登山ルートでした!
いや~この時期の丹波天平も悪くないですね♡
そんな感じで丹波天平に到着です!
ちなみに丹波天平と書いて「たんばでんでいろ」と読みます。
「でんでいろ」は「たいら」、「ひらたい」といった意味があるそうです。
そにしても飛龍山から丹波天平は、楽なイメージだったのですが、実際に歩いてみると中々骨が折れるルートでした。
丹波天平から更に高度を落とし、昔の集落に到着しました。
この付近の登山道が、年々悪路になっているのは気のせいでしょうかね!?
更に崩壊が進んでいた廃墟でした。
震度7の地震が来たら、ど~なってしまうんでしょうかね!?
一周回って新築の状態に戻ったら笑えないですよね(笑)
そんな感じで、こちらが丹波天平、熊倉山、飛龍山への登山口になります。
楽しかったテント泊縦走も終わろうとしております。
この登山口からバイクを駐輪しているところまでの舗装路歩きが暑くて大変だったのですが、今回の飛龍山への登山の詳細に移りたいと思います。
飛龍山、熊倉山、丹波天平登山の登山ルート・標高差・コースタイム詳細
こちらが今回登山をした飛龍山と熊倉山、丹波天平登山のルートと標高差の地図になります。
登山をした日は、6月21日なりまして、標高1,000m以上は涼しかったものの、1,500m前後からブヨが凄く虫除け対策が必須です。
雲取山から飛龍山への登山ルートは、樹林帯が多いので直射日光を避けられるメリットがあるものの、標高差の地図の通り、アップダウンが連続するので、蒸し暑い時期は熱中症に十分注意が必要です。
そしてこちらが雲取山から飛龍山と熊倉山、丹波天平へ登山した時のコースタイムになります!
五十人平野営場 6:25 → 6:44 小雲取山 → 6:57 雲取山 → 7:18 三条ダルミ → 9:39 飛龍山 → 10:40 禿岩 → 11:11 前飛竜 → 12:14 熊倉山 → 12:52 サオラ峠 → 13:20 丹波天平 → 15:03 所畑バス停
五十人平野営場から雲取山の山頂までのコースタイムが約1時間ほどでした。
雲取山から飛龍山山頂までのコースタイムが約3時間で、熊倉山、丹波天平を経由して下山した所畑バス停までのトータルが9時間ほどとなりました。
五十人平野営場からスタートする場合、6時前後にスタートしないと、日没に間に合わない恐れがありますので、その点注意してください!
今回は飛龍山北尾根を歩いた関係で、1時間ほど時間を消費(遠回り)してますので、コースタイムは参考程度に眺めてくださいね!
まとめ
マイナーで地味地味な1座である飛龍山ですが、5月下旬頃から6月いっぱいにかけてシャクナゲのお花が咲くので、それを目当てに登るのがおすすめになります!
また、今回は未踏だった飛龍山の北尾根を歩けて満足度の高い1日になりました。
想像以上にシャクナゲの藪が凄く、ビシビシ♪と「お釣り」が飛び交う時間になったのですが、前々から気になっていただけに今回歩けて良い収穫になりました。
そして紅葉の時期によく歩く丹波天平なのですが、新緑が思いのほか映しく、かび臭い私の肺胞が生き返り、生気が復活したのもよかった限りです。
酸素の吸収力が復活し、ダイソン顔負けな強力なバキュームに山ガールも喜んでくれると信じているのですが(?)、また、綺麗な景色と新鮮な空気を吸いに季節を変えて再訪したいな~っと考えております!
紅葉の時期に登山した三条の湯と丹波天平の記事になります!
飛龍山と三条の湯を絡めての登山もおすすめです!