八海山の滑落事故について
先ほどニュースを観ていると、新潟県の八海山で高校の部活動中に(登山部?)高校生が滑落事故を起こして心肺停止状態であると放送してました。
台風5号の影響で、ここ暫く天気悪い悪い状態が続いておりますが、その影響でヘリコプターで搬出が出来ないそうで、ご家族や親類の皆様の心情を察すると、とても言葉にならない感じです。
滑落事故は、7月31日の11:00だったそうで、事故から4時間ほど経ったあたりで消防隊が発見したそうです。
街中ならいざ知らず、山の中で事故が起きてしまうと、本当に救助に時間が掛かってしまいますよね。
特に大きな怪我などは、一分一秒を争う事態になりますので、搬出できない事が本当に痛い所です。
私も地元の丹沢で、目の前でお爺さんが登山道から外れて滑落してしまい、その救助のお手伝いをした事が有るんですが、本当に大変でした。
そして、救助の時間があまりにも掛かることに愕然とし、
「山で大きな怪我や病気をしてしまうと助かるのは難しいな~」
と、思うキッカケになりました。
※その時の記事になります。少し長いですが、興味がある方はご参考にしてみてください!
この事故をキッカケでもないんですが、今までにも山の中で痛い目に有っているんで、「安全」には細心の注意をしながら、今現在も山登りを楽しんでおります。
こ~いった「滑落事故」が起こってしまうと、「自己責任」、「危ないのに何でやるんだ!」みたいな事を言う方が多くいますが、なかなか防げない事故もありますし、山に登ったことがない人には、「山の魅力」は分からないですからね~・・・。
八海山で滑落してしまった高校生も、部活に入っているくらいですので、きっと山が好きだったんだろうな~と思ってしまいます。
まだ若いですし、これからが有る年齢ですので、こんな事故で失ってしまうのは本当に勿体ないですよね。
それにしても、1つ疑問に思うのが、
「なんで天気が良くないのに八海山という厳しいお山に行ったのか?」
と、気になりますよねf^_^;
先生1名とOB2名の引率で登ったみたいなんで、それなりに安全には配慮していたんじゃないかな~と思われるますが、選んだお山が悔やまれる感じですよね。
少し登山をやっているならば「八海山は険しく危ないお山」の認識はあったんじゃないかな~と思ってしまいます。
八海山登山の難易度、鎖場、登山道について
八海山は、標高1,778mで日本二百名山に数えられている名峰になりまして、ロープウェーである程度山頂近くまで登ることが出来ます。
八海山は、越後駒ヶ岳・中岳と共に「越後三山」とも呼ばれ、昔から「霊峰」と崇められている信仰の対象のお山になります。
スキー場も有ったりと比較的開発も進んでいるお山なのですが、そ~は言っても、八海山の山頂付近から岩場歩きになり、「鎖場天国」と呼んでよいほど悪路のアップダウンが続きます。
特に、千本檜小屋と大日岳の間は八ッ峰と呼ばれる岩峰が連続している鎖場になり、過去にも多くの滑落事故が起こっております。
八海山の登山難易度が高いのは、この鎖場と悪路な登山道が原因となります。
垂直な岩場の鎖場が多いので、足を滑らせるとアっという間に滑落してしまいますからね~・・・。
雨降った後の濡れた岩場ほど滑るものはないですので、特に下りで使う鎖場ほど濡れていないかどうかが重要な要素になりますよね。
私なら、天気が悪い時には八海山へ登るのは延期・中止にすると思います。
八海山は、切れ落ちた痩せ尾根歩きの上、鎖場の連続ですので、晴れている時でもそれなりにリスクが高い山ですからね~・・・。
八海山の近くに「巻機山」と言う似たような標高のお山があるのですが、こちらなら多少天気が悪くても危ない鎖場等がないので、そちらに変更するかな~と思ってしまいました。
※雪がある時期は別ですが、巻機山の登山のご参考になれば幸いです。
天気が良いと、八海山からこんな絶景を見ることが出来るので、引率された先生たちもこの景色を生徒に見せたかったんでしょうね。
八海山は、とても綺麗な山容をしたお山ですし、山頂からは絶景が広がりますので、天気が良い時に登れば最高なんですけどね~・・・。
滑落事故の経緯については調査が待たれますが、天候が回復して、一刻も早く病院に搬出出来たら良いよな~っと願わずにはいられません。
防げた登山の事故だったのか!?
今回の事故を教訓にして、「天気が悪い時は山登りはしない!」、「コースの難易度はどうなのか!?」を確認し、自分のレベルに合ったお山を選んで登ることが重要ですよね。
天気が悪い時に登っても、ただの「修行」なだけになってしまいますしね。
ただ、「山中で天気が急変した時の練習」はすべきだとも思いますので、その塩梅が難しい所ですよね~・・・。
ま~その練習を今回の八海山ですることは考えられませんよね。
上述した八海山の険しい登山ルートや、天候の状況からして「登山中止」にしていれば、間違いなく今回の滑落事故は防げたと思います。
雨の日に登ってはいけない山の1つが八海山だと個人的には思っております。
やはり、天気が良い日に何度か登ったことがある山を練習の場に選ばないと、登山ルートが危険なのかどうかは分からないので、危険ですよね。
山登になれていない方と時々一緒に登ることがあるのですが、登山ルートについては、かなり神経を遣っております。
一緒に登り何かあれば、自分に過失がなくても後味が悪いものになってしまいますしね。
消防隊員が訓練中に八海山から滑落死亡事故について
2021年3月18日に、新潟県の八海山において、消防の訓練中に隊員が滑落死する事故が発生してしまいました。
この時期の八海山は、まだまだ積雪が深いので、スリップして滑落してしまったと思われます。
上述してますとおり、八海山は急峻な地形をした山になりますので、雪や凍結によるスリップが命取りになるような場所になります。
日頃から厳しい訓練をしている消防隊員でさえも、積雪がある八海山は、滑落事故を起こしてしまうような山になります。
雪山に慣れていない登山者が登れるような山ではございませんので、間違っても挑戦してはいけませんよね。
記事の通り、八海山は、滑落すると一気に100~300mは落ちてしまいますので、事故を起こすとかなり厳しい状況になってしまいます。
山岳救助の訓練ということですので、装備の方も万全だったと思われだけに、非常に悲しい事故だなと感じました。
登山愛好家にとっては、山岳救助隊は、山の守り神のような存在ですからね。
亡くなられた隊員のご冥福を心よりお祈りいたします。
※2021年3月19日加筆
まとめ
色々と書いてしまいましたが、滑落事故が起きてしまうと、と色々な方を巻き込んでしまいますし、誰一人幸せになれませんからね。
少し前に記事にしましたが、滑落事故が起きてしまうと、精神的にも肉体的にも大きな負担になりますし、経済的にも大きなダメージを負ってしまいますからね~・・・。
遭難して発見されなかった場合の経済的な負担と、捜索打ち切り時期について書いた記事になります。
良かったらご参考にしてみてください!
滑落してしまった高校生は、まだ山中にいると思いますが、最後まであきらめずに息を吹き返し元気に山に戻ってきて欲しいな~っと心から願っております。
次は我が身と思って、「安全第一」で今後も登山を楽しみたいと思います!
平成29年8月1日加筆
滑落した高校生がお亡くなりになってしまったとの事で、心よりお悔やみ申し上げます。
独りの事故が、皆の事故になってしまうのが、登山の怖いところでございます。