椹島ロッジのゴミ不法投棄について
「とって良いのは写真だけ。残して良いのは思い出だけ。」
こちらは登山をしていた時に見つけた標語?警鐘?になるのですが、上手い表現だな~と、私は大好きな感じです。
私に当てはめてみると、
「とって良いのは揚げ足だけ。残して良いのは名声だけ。」
なんとも微妙な出来になってしまいしたね(笑)
上述した標語の意味については、書くまでもないと思いますが、
「山の中で咲いているお花や植物は採らず、ゴミなどは捨てずに持ち帰りましょう。」
になるかと思います。
極力「足跡」だけ残して下山しようと思ってはいるものの、どうしても生理現象である「トイレ」だけは難しいものがありますよね。
それでも自分が持ち込んだゴミだけは、山の中に捨てないようにしているのですが、模範となるべき山小屋で、悲しい話がニュースになっておりました。
事の顛末を簡単に書くと、南アルプス南部の登山起点となる椹島ロッジで、6年くらい前からゴミの不法投棄を行っていたそうです。
本来、ゴミの投棄が禁じられている場所で行っていたそうで、現場は畑薙ダム~椹島ロッジ間の林道から見える場所だったそうです。
椹島ロッジの関係者が、直径3メートル、深さ1メートルほどの穴の中に生ごみや山小屋で出たごみの焼却灰を埋めていたみたいで、周辺は凄い悪臭だったと書かれておりました。
多くの登山者が行きかう林道の直ぐ近くにごみを捨てていたことに驚いてしまいました。
こっそりゴミを捨てていたならアレですが、堂々と行っていた点からすると、自然を壊している罪悪感はなかったんでしょうね。
美しい自然を求めて多くの人間が訪れてる場所なのに、それを自分達で壊していることに驚きと悲しさが入り混じってしまいました。
椹島ロッヂを始め、周辺の山小屋の利益の源泉は「雄大で美しい自然」だと思います。
一番重要な利益の源泉を自分たちで壊している事に私は理解できません。
椹島ロッジの詳細と場所について
こちらがゴミの不法投棄問題が発覚した椹島ロッジ周辺の地図になります!
静岡駅から50km以上離れた場所にある山小屋になるのですが、ここまで自家用車は入れません。
手前にある「畑薙ダム」から一般車通行止めになってまして、椹島ロッジを経営する会社のバスに乗るか、徒歩でないと椹島ロッジまで入れない事になっております。
バスで約1時間、徒歩ですと5時間前後かかる道のりになります。
畑薙ダム周辺から、椹島ロッジを含む、広大な土地が「私有地」になっているので一般車通行止めは仕方がないのですが、バスに乗るには「1泊」が条件になっております。
報道等によると、椹島ロッジから1kmほどの所でゴミの不法投棄を行っていたとの事で、「鳥森山」の麓が現場かな~と、その時思ってしまいました。
こちらが椹島ロッジになります。
送迎バスの発着場になっております。
実は、今年のお盆に椹島ロッジに出没してきました。
良い所だな~と思っていただけに、今回のゴミの不法投棄は残念でなりません。
椹島ロッジのレストランになるのですが、雰囲気も良く、山の中にあるとは思えない施設の充実ぶりでございます!
名物の椹島ロッジカレーになります!
このボリュームで1,000円になります。
私が食べた事により、ゴミが増えてしまったんだ~と思うと、非常に複雑な心境です。
このゴミのニュースは聞きたくなったです。
椹島ロッジは、登山基地にもなってまして、小屋泊も出来ますし、テント泊もできます。
私はテント泊(1泊1,000円)で椹島ロッジを利用したのですが、お風呂も入れますし、よく整備されたテント指定地になります。
雰囲気も良いですし、なにより水と空気が本当に美味しいです!
正面に見えている山が南アルプス赤石岳になるのですが、椹島ロッジが登山口の1つになっております。
真ん中奥に見えているのが南アルプス荒川岳になるのですが、こちらも椹島ロッジが登山口になっております。
南アルプス登山で重要な拠点になっているのが椹島ロッジですが、こんな美しい自然が残っている場所であることは、私達一般登山者よりも良く分かっていると思うのですが・・・。
椹島ロッジに行く手前に「登山指導センター」があるのですが、も~面目丸つぶれですよね・・・。
登山者を指導する前に・・・と、言ってしまいそうになります。
「山にごみを捨てるな」と、散々言っていた側が・・・ですと、示しがつかないですよね!?
椹島ロッジを含む、南アルプス周辺は、自然保護・活用を目指す「エコパーク」に登録されてますので、そんな活動に水を差してしまいますよね。
山のゴミ問題について
今回、椹島ロッジのゴミ不法投棄の問題が表沙汰になりましたが、氷山の一角だろうな~と考えております。
実際は、他の山小屋でも大なり小なりゴミの不法投棄は行っていると思います。
勿論、厳密にゴミの管理をしている山小屋が大多数だとは思いますが、ネックになるのがゴミの処理費用になります。
交通事情が良い平地ならまだしも、標高の高い所で営業している山小屋にとっては、ゴミを下界まで降ろして処分するのは大変お金がかかります。
財務的にシッカリしている大きな山小屋なら、ヘリコプターを使って荷物の運搬が出来ますが、小さな山小屋の場合、多くは人力で荷降ろししなければなりません。
何故かと申しますと、ヘリコプターでの荷物の運搬は、非常に高額になるからです。
山小屋で販売する資材の荷揚げなら必要経費として考えられますが、「ゴミ」に関しては「無駄な経費」として考えてしまうの人情ってもんですよね。
「お金をかけて処分するなら、こっそり山の中に捨ててしまおう」
と、考えるのも分からなくはないな~と思ってしまいます。
これは山小屋のゴミだけではなく、し尿処理の問題と表裏一体の関係になります。
残念ながら、山小屋の中には「垂れ流しのトイレ」のままの所が多く残っております。
また、昔は今ほど山のゴミ問題に対して意識が高くなかったそうで、平気でごみを投棄していた時代があったそうです。
登山をしていると、時代を感じさせるお酒の一升瓶やビール瓶、ジュースの缶などが散乱している所に遭遇する事があったりします。
昔は山の中でごみを捨てるのが当たり前の時代だったそうなので、これについては仕方がないのかな~と思いつつ、ジェネレーションギャップを感じてしまいます。
山のゴミ問題は、なかなか難しいものがありますが、椹島ロッジの不法投棄については、問題だよな~と感じてしまいます。
よく通行止めになるものの、一応林道も整備されてますし、送迎バスも多く走り、ゴミやトイレの処理代金が、建前上「宿泊費(利用料)」に含まれているはずです。
宿泊費に限らず、販売している物品の代金にも諸々の諸経費が上乗せされているはずですので、それを考えるとゴミの不法投棄は「利益の追求」にしか思えません。
中国製品は安いですが、その理由って人件費が安いだけだと思いますか!?
人件費が安いのもありますが、さらに大きいのは「産業廃棄物の処理代金が掛からない」からと言われております。
何故か?
ゴミをそこらに捨てるし、廃液も垂れ流しだからです。
最近は少し規制が入ってるようですが、利益を追求すると何かを犠牲にしなければなりません。
今回の椹島ロッジの件は、少し言い過ぎかもしれませんが、同じ理屈かな~と感じてしまいました。
山小屋の料金が高い理由について書いた記事になります!
良かったらご参考にしてみて下さい!
まとめ
当初、このゴミの不法投棄の記事を見て「内部通報」があったのかな!?と思ってしまいました。
タレコミがないと、なかなか難しい話だと思います。
もしかすると、心ある内部の関係者がマスコミに通報したのかな~と思ってしまいました。
また、ここ数年は、山小屋の稼ぎ時になる「お盆休み」周辺の天候が悪く、登山者が少なかったのも要因になるのかも知れないな~と考えてしまいました。
正当な理由にはなりませんが、登山者が減れば山小屋の稼ぎが減りますので、どうしても経費節減しないと成り立たない部分があるのかもしれません。
山のゴミ問題は、根深いものがありますが、そんな自然を守るのに有効なのは「人間が活動しないこと」だと思ってます。
言うのは簡単ですが、なかなか難しいですよね。
自然の負荷にならならい登山やアウトドアはないとは思いますが、極力、害のないように自然を楽しみたいな~と思った出来事でした。
何をしても自然の害になる人間って、一体何なんだろう!?と、答えの出ない疑問が頭の中でグルグル回ってしまった時間になりました。
美しい自然が残る、雄大な南アルプス南部をテント泊で縦走した時の記録になります!
良かったらご参考にしてみて下さい!
この自然を守り、後世に残さないといけないよな~と思ってしまいます。