登山中に多い熱中症や脱水症状ですが、5秒で分かる自己診断方法があります!
自分や家族、登山仲間の体を守るためにも覚えて欲しい知識になりますので、詳しく解説していきたいと思います!
ちなみに私は医者ではありませんが、国家資格「一種衛生管理者」の資格保持者になります。
衛生管理者は、全然難しい資格ではないものの、「健康に異常のある者の発見および処置」が1つの業務になるのですが、経理・企画管理の仕事をしている私が、何故、こっちもやるのか謎なのですが、それでも良い経験になっていると感じております。
そんな一種衛生管理者は、職場の労働環境を守るために従業員数に応じて設置が義務づかれているのですが、そこで管理しながら培った知識や登山の経験を絡めながら登山の熱中症、脱水症状の見分け方について書いていきたいと思います!
- 登山中の熱中症・脱水症状について
- 登山中の熱中症の症状と分類・見分け方について
- 登山中の脱水症状の見分け方と尿の色・対策方法について
- 登山の熱中症・脱水症状の見分け方と自己診断の方法について
- 熱中症・脱水症状の対策について
- まとめ
登山中の熱中症・脱水症状について
暑い季節になりますと、熱中症による脱水症状でお亡くなりになったというニュースが多くなりますよね。
年々暑さが厳しくなっていると感じているのですが、安全なはずの家の中での熱中症による脱水でお亡くなりになってしまうニュースも多いですよね。
特に体温調整が難しいご年配の方に熱中症、脱水症状は多いイメージになりますが、年齢問わず運動中にも数多く起きているだけに登山を愛している方にとっては他人事ではない問題になります。
ちなみに毎年10万人近くの方が熱中症、脱水症状によって緊急搬送されております!
※総務省より出典
こちらは総務省の統計資料になるのですが、令和3年が少ないものの、平成30年は10万人弱と凄い人数の方が熱中症、脱水症状で緊急搬送されております。
令和3年は、新型コロナウイルスの影響で外出を控えた方が多かったからでは?と推測しているのですが、現在、外出制限もなくなりほぼ日常に戻っている現状では、去年以上の熱中症、脱水症状になってしまう方が増えるのではと思っております。
そんな誰でもあり得る熱中症、脱水症状ですが、初期の状態で気が付けば大惨事にならずに済みますので、ガンと一緒で早期発見が重要になってきます。
登山中に熱中症、脱水症状で動けなくなってしまうと、遭難事故に繋がるだけに、事前に自分の体の異変に気が付くことがとても大事になります。
個人的には、単独登山よりも団体登山の方が熱中症、脱水症状が起きやすいのでは?と思っているのですが、その辺の理由や症状の見分け方、自己診断の方法について書いていきたいと思います!
登山中の熱中症の症状と分類・見分け方について
※日本救急医学会分類2015より出典
上述の通り、初期の段階で熱中症、脱水症状を見つけ対策することが重要になります!
熱中症の見分け方につきましては、3分類で見ることが出来まして、症状の重さから
熱失神→熱痙攣→熱疲労→熱射病と診断される感じです。
熱中症の場合、1類(熱失神・熱痙攣)、2類(熱疲労)までは、自力で回復することが出来るのですが、3類(熱射病)になってしまうと、かなり重篤なので早急に医療機関にかからないと命の危険があります。
登山中に起きる熱中症による体の異変(症状・見分け方)を纏めますと、こんな感じになります!
- 1類・・・眩暈・失神・立ち眩み・大量の汗・こむら返り・筋肉の硬直
- 2類・・・頭痛・吐き気・嘔吐・寒気・汗が出ない・顔面蒼白・集中力の低下
- 3類・・・動けない・体が熱い・泡を噴く・全身痙攣
20年以上登山してますが、私は2類まで熱中症の症状に該当したことがありまして、3類の方がヘリコプターで収納・搬送された所を見かけたこともあります。
私の場合は、頭痛と汗が出なくなると「ヤバい」と感じる事が多く、熱中症の2類に該当している事を知ってからは無理しないようにしております。
ちなみに口の周りがヒゲ剃り跡で青いのですが、これは熱中症の2類に該当しません!
え~・・上述の症状が出た場合は、熱中症を疑うべきですし、登山仲間に異変があったならば、この辺で見分けることが出来ます!
熱中症は、いつの間にか症状が進んでしまい、気が付く頃には行動不能になってしまう事がしばしば起きているのですが、自己診断で状況が分かると対策しやすいですよね!
登山中の熱中症の症状と分類・見分け方に引き続きまして、簡単に自己診断できる方法と対策について書いてみたいと思います!
登山中の脱水症状の見分け方と尿の色・対策方法について
※厚生労働省より出典
熱中症の1つの原因になるのが脱水症状になるのですが、自分の尿の色で簡単に自己診断することが出来ます!
脱水症状と尿の色の目安については、ご存じの方も多いと思いますが、こちらで自己診断する場合、「トイレタイムのみ」になってしまうのがネックですよね。
登山の場合、トイレが中々ないので水分を控えている登山者が多いと思います。
特に女性は水分を控えて山登りしているのではないかな~っと推測しているのですが、気持ちは分かるものの、体にとっては大きな負荷になってしまいます。
トイレの時しか脱水症状になっている見分け事が出来ないものの、色を見ただけで直ぐに分かるのが便利ですよね!
私の場合、甘い色をしているのですが、これは脱水症状なのか?それとも糖尿病予備軍なのか?気になってしまいます。
脱水症状であると判断したならば、尿の色に応じて水分補給が重要な対策の1つになります!
しかしながら、夏場の登山の場合、いくら水分補給しても、それ以上に汗をかき脱水症状の危険がつきまといますよね。
脱水症状が進むと、そもそもトイレいに行きたくなってしまいますので、尿の色で熱中症の進み具合に気が付くの遅れてしまいますよね。
もっと簡単に熱中症、脱水症状の自己診断が出来ないのか?と思う方も多いと思いますが、実は2秒で自分の状態を確認することが出来ます!
登山の熱中症・脱水症状の見分け方と自己診断の方法について
尿の色で脱水症状であるかの見分け方に引き続きまして、5秒で分かる自己診断の方法について書いていきたいと思います!
非常に簡単かつ、誰でも出来るので、是非、覚えて頂けたらなと思います!
まず、やり方になりますが、自分の爪を2秒ほど押し付けて下さい。
写真の様に、爪を指で2秒間押し付けます。
私の場合、爪の面積が広い親指で脱水になっていないか自己診断することが多いです。
2秒押すと、押した爪が白く変色します。
写真のように、白く変色した爪の色が、3秒間で元のピンク色に戻れば、脱水症状ではなく健康な状態であると判断することが出来ます。
こちらは爪の毛細血管を利用した脱水症状の見分け方になりまして、老人ホームや医療機関で良く利用されている簡易診断方法になります!
3秒以上経っても戻らない場合は、脱水症状が進んでいる状態になりますので、直ぐに休憩し、水分補給に努めて頂ければと思います!
明らかに脱水しているよな~ってな状態で爪の色を見たことがあるのですが、10秒近く色が戻らず、顔面蒼白になったことがあります(苦笑)
脱水症状からの熱中症による顔面蒼白だったのかもしれませんが、それにしても、爪の縦線が気になりますよね~
この時は脱水症状ではないものの、亜鉛や鉄が足りていないのかも知れませんよね~
ガっちゃんを見習って、「クルピーポー♪」と悲鳴を上げながら何でも食べるようにしたいと思います!
熱中症・脱水症状の対策について
登山中の熱中症・脱水症状の対策になりますが、まずは無理せず定期的に休憩をとることになります。
標高が高くなるにつれ、日差しが強くなりますし、空気が乾燥していつの間にか水分を吸い取られてしまいます。
ちなみに標高が1,000m上がると、紫外線が地表よりも10%上昇します。
3,000mの山に登ると、地表よりも30%紫外線が強くなってしまいます。
一方、気温の方は1,000m上がると6度下がりますので、紫外線は増えるけど気温は下がるといった現象が山の上では起こってしまいます。
気温や環境の変化は、登山中の体調不良の要因になるので、注意が必要だったりします。
日差しが強くなると、体に熱がもろに伝わってしまいますので、日陰を使って体温を下げ、体を休ませてあげる必要があります。
しかしながら、体を冷やし過ぎてしまうと、今度は筋肉が硬直し動きが悪くなるので、適度な時間にする必要もあったりするので「休憩」は地味に難しい登山のスキルだったりします。
また、登山中にタオルを首に巻きながら登山している方がいますが、熱中症、脱水症状の予防の観点からするとおすすめ出来ません。
首の周りには太い血管があるのですが、そこをタオルで覆ってしまうと、熱がこもってしまいます。
水で濡らしタオルを首や太い血管が通っているお腹、肩甲骨、鼠径部に置くと体温を下げれますので、熱中症の症状が出てきたらおすすめの対策になります!
また、団体で登山をしていると、中々自分の体調不良について申告できない事があると思います。
皆の迷惑になるから・・・や、仲間がいるから無理しても大丈夫だろう!や、一時的な症状で直ぐに良くなるだろう!などの、根拠のない理由で無理してしまう方が多いと思います。
特に「皆の迷惑になるから」が団体登山では多いシチュエーションになるかと思いますが、無理を重ねると、どんどん症状が悪化してしまい、取り返しのつかない状況になってしまう恐れがあります。
上述した熱中症、脱水症状の症状が出てしまったならば、早目に申告し、下山を検討するか、近くの山小屋、避難小屋へ逃げ込むことも必要になってきます。
特に足の筋肉に症状が出てしまうと、「歩けない」になってしまいますので、その時点でほぼツミの状態になってしまいます。
熱中症、脱水症状の症状は、急速に悪くなることが多いので、登山中に爪を抑えて自己診断し、休憩時間や給水量を調整して対策する事が暑い時期の登山では大事になってきます。
また、登山中の熱中症、脱水症状で動けなくなってしまった場合、搬送費などの費用が発生してしまう恐れがあります。
特に山の中では無料の救急車を呼ぶことが出来ませんので、場合によっては高額な費用請求が発生する場合もありますので、適切な山岳保険に加入する必要があります!
こちらの記事で山岳保険のメリットとデメリットについて書いてますので、登山中の熱中症、脱水症状の経済的な対策として読んでいただけたら幸いです!
山岳保険でも、登山中やスポーツ中の熱中症、脱水症状の補償がある保険がありますので、チェックしていただけたらと思います!
まとめ
登山中に発症すると怖い熱中症、脱水症状になりますが、マメに自分の状態をチェックしておけば、最悪な事態から回避することが出来ますので、必要以上に恐れる必要はないと思っております。
熱中症も分類1の症状ならば、30分~1時間ほど涼しい場所で休憩し、水分補給に努めれば回復しますので、無理をしないことが大事にななります!
自分は大丈夫でも、登山中には色々な方と遭遇します。
体調不良の方を見かけたならば、上述した熱中症、脱水症状の見分け方を駆使して状況を把握し、適切な対応をお願いしたいなと思います!
勿論、私が登山道で白目になりなが干からびていたならば、爪と下半身を確認し、元気かどうかをチェックして頂けたら幸いです!
特に山ガールの皆様の献身的な愛情を欲しておりますので、火照ったら体を癒して頂けたらなと思います!!
判断が難しい、熱中症で救急車を呼ぶタイピングや、予防と対策について書いた記事になります!
症状の見分け方と併せて、ご確認して欲し内容になります!
暑い時にも一気に涼しく出来る熱中症対策スプレーについて書いたレビュー記事になります!
1本あると暑い時期の登山に重宝すると思います!