- マダニの恐怖とダニ媒介感染症について
- マダニの生態について
- ダニ媒介感染症とは!?
- 登山中、マダニから身を守る対策について
- ダニ媒介感染症を防ぐには
- 登山中にマダニに吸い付かれてしまったら
- 登山の大敵マダニから身を守る対策のまとめ
マダニの恐怖とダニ媒介感染症について
梅雨は何処にいちゃったの!?てな感じの天気が続きますが、春からこの時期に掛けて大発生する「マダニ」が本当に怖いですよね。
最近、北海道で相次いでマダニかまれて「ダニ媒介脳炎」でお亡くなりになった方がいたとニュースでやっていて驚いてしまいました。
※毎日新聞より出典
今まで関西地方を中心に発生していたマダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(以下:SFTS)」が多く報告されてましたが、今回、比較的涼しい北海道でも似たようなダニ感染症が発生してしまったのは、色々と考えさせられますよね~・・・。
今回の件で「日本にはダニ媒介感染症の安全地帯はない!」と言えますよね。
数年前から「マダニの恐怖」をニュース等で見聞きしていたので注意はしていたのですが、今まで以上に登山中のダニ対策を強化しないと次は我が身ですよね~・・・。
マダニの生態について
上記の図は、関西地方で多発しているSFTS(ダニ媒介感染症)の感染地域になります。
思っていた以上に感染者が多くビックリしました・・・。
そして、マダニは一生のうちに3回吸血しないと大人の階段を昇れないことを初めて知りましたf^_^;
マダニみたいな風貌をしている私なのですが、流石に「本格的なマダニ」には勝てる気が致しません・・・。
胃の中で飼っている「ピロロ菌」と「ダニ媒介脳炎ウイルス」と勝負させてみたい葛藤もあるのですが、どっちが勝っても厄介ですよね・・・(?)
「ピロロ菌」ってなんだか伝わるような伝わらないような可愛らしい菌ですが、今日は「ダニ対策」と「ダニが媒介する厄介な感染症」の対策について掘り下げて書いてみたいと思います!
ダニ媒介感染症とは!?
今回、北海道で発生した「ダニ媒介脳炎ウイルス」とは別に、登山・アウトドアでダニによって感染の恐れがある病気の1つに「リケッチア症」と言うものがあります。
リッチなんだかケチなんだか分からない謎の病名ですが、こちらは「マダニ」と「ツツガムシ(ダニの一種)」が媒介します。
マダニが媒介する病気が「日本紅斑熱」、ツツガムシが媒介する病気が「つつが虫病」になります。
「日本紅斑熱」て、なんだか美味しそうな紅茶の銘柄に聞こえてしまいますよね~
「ダニ媒介脳症」、「SFTS」と、「日本紅斑熱」、「つつが虫病」の計4つの感染リスクが登山・アウトドアにはあるといえます。
※他にもダニによる感染症のリスクがありますが、今回は割愛します。
登山中、マダニから身を守る対策について
よく言われていることになってしまいますが、復習を兼ねてこの4つの「ダニ媒介感染症」から身を守る対策やマダニにについて簡単にまとめてみたいと思います!
◎ マダニの活動時期は!?
気温と湿度が高い梅雨の時期が特に大好きみたいです。
5月~10月までは要注意でございます!
◎ ダニ媒介感染症の潜伏期間
6日~14日程度の潜伏期間を経て発症します。
※「日本紅斑熱」は、ダニに噛まれてから2日~7日前後で発症となるそうです。
「日本紅斑熱」・「つつが虫病」
39度前後の高熱が出て、淡い赤色の小さな発疹が広がり、頭痛や関節痛、だるさなどの症状が出るものの、噛まれた箇所の痒みはないそうです。
なんだかインフルエンザの症状とよく似てますよね~。
こちらの感染症については治療方法が確立されていて、感染初期に薬を服用すれば直ぐ良くなりますが、診断が遅れると重篤化してしまい、最悪命を落とす事もあるそうです。
近年、増加傾向のダニ感染症になります。
SFTS
発熱、食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等の消化器の異常、頭痛、筋肉痛、意識障害等がありまして、さらに特徴的なのが、血液に異常が出るそうです。
SFTSが発症すると、白血球や血小板等の減少になります。
怖い点としては、SFTSには有効な薬剤やワクチンがなく、対症的な治療になるため、致死率は6%~30%前後と高い傾向になります。
関西方面で広がっている「ダニ媒介感染症」がこちらのSFTSになります。
関西方面の山に登る場合は、こちらのダニ感染症に要注意でございます!
ダニ媒介脳症
頭痛・発熱・嘔吐等の消化器系の異常が見られ、重篤な状態になると、精神錯乱・昏睡・痙攣、麻痺等の日本脳炎と同じような症状になります。
残念ながら日本には有効な薬がない状況で、SFTSと同じ様な治療方法となり、致死率も30%前後と高い状況になります。
しかしながら、オーストリアには「ダニ媒介性脳炎ワクチン」が広く使われているみたいなのですが、残念ながら日本では使用が許可されていないそうです。
個人で輸入するには色々と手続きが大変なので、現実的ではないといわれております。
ダニ媒介感染症を防ぐには
山や藪を歩く時は肌を露出しない。
一番手軽で効果的なのが、肌を露出させない事です。
肌の露出が少ないのは、オジサン達にとっては寂しい感じですが、可愛い山ガール達を何だか分からない「悪い虫」と「ウイルス」から身を守るためにも重要なことでございます!
山ガールからしたら、ダニよりも吸い付いたら離れない私の方がタチが悪いのでしょうけどね~♡
「嫌よ嫌よは好きのうち♡」と言う、自分勝手なプラス思考の持ち主なので、さらにタチが悪いですよね!
「チューチュー♪ニャンニャンしながら吸い付いちゃうぞ~~~」てなシチュエーションを妄想しながら、今日は床について気絶したいと思います(?)
話を戻し、マダニの大きさは、血を吸う前で3~8mm程度と小さいので、衣類を突き破って噛み付くことはありません!
足元ばかりに目がいってしまいますが、木々や葉っぱにも生息してますので、上半身の対策も必須です。
この時期、ヤマビルも嫌な相手ですが、こちらは薄い靴下なら入り込んで噛み付いてきますので、その点、マダニの方がまだ攻撃力が弱く、可愛い?ともいえます。
虫よけ剤が効果的です!
ヤマビルと同じく、この時期厄介な「蚊」、「アブ」、「ブヨ」等の吸血害虫が多いですが、それらの対策と同じ「虫よけ剤」もダニには有効です。
しかし、万能なわけではないので、やはり素肌を曝さない事が大事だと思います。
成分に「ディート」や「イカリジン」を含んだものを使うと間違いありませんが、体にとってはあまり良い薬剤ではございません。
安心・安全に気を配っている方なら、「ハーブ」を使って「自作の虫よけ剤」を作った方が良いかも知れません。
特に「ミント(ハッカ油)」は、ダニ避けに効果的なハーブになります。
私は、ハーブを使って虫よけ剤を自作しております。
こちらの記事で、虫よけの作り方や「ディート」について詳しく書いておりますので、良かったらご参考にしてみてください!
登山中にマダニに吸い付かれてしまったら
無理に自分で取ろうとせず、医療機関を受診してください。
受診科目は「皮膚科」になりますが、症状が激しい場合は、迷わず救急車を呼んで受診して下さい。
私は過去に何度もダニに吸い付かれたことがあるのですが、その時はライターで炙ってダニを取っておりました。
ライターで炙る方法が良いのかな?と、思い調べたのですが、あまり良い方法ではないみたいです。
理由としましては、ダニが吸い付くと、「口下片」という針状の歯がある突起物を患部に差し込み、その周りをセメントのような物質を流し込んで固定するというオジサンもビックリな荒業を駆使してくるそうです。
その為、ガッチリと固定された「口下片」がとれなくなり、無理に引っこ抜くと体内に残ってしまうそうです。
体内に残った口下片からウイルス感染してしまうリスクがあるので、皮膚科に受診して綺麗に取ってもらったほうが安心です。
<参考資料>
ダニからの感染症 重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)・日本紅斑熱・つつが虫病・マダニ・ライム病など|和歌山市感染症情報センター
登山の大敵マダニから身を守る対策のまとめ
こ~蒸し暑いと、登山中も薄着で行動をしたくなってしまいますが、ダニ媒体感染症をはじめ、色々なリスクがある山登りにおいては考え直さないといけないかも知れません。
先日、山登りに出掛けたのですが、その時もランニングシャツに短パン姿のトレランの方を多くみかけました。
素肌をさらしていると、ダニもそうですが、転んだり岩にぶつけたりするともろに喰らってしまいますからね~
藪の登山道もあるわけで、草を掻き分けて進めば切り傷にもなりますし、大丈夫なのかな?と、思ってしまいました。
人様がやることにケチをつけるつもりもないですが、リスクの考え方って千差万別ですよね~
石橋を叩いて叩いて叩きまくり、終いには自分の足まで叩いてしまう性格なのですが、登山のリスクについて少し考えすぎなのかな~・・・。と思ってしまった感じです。
山は楽しい場所ですが、常に色々なリスクに曝されている事を忘れてはいけませんよね!
ダニ媒介のウイルスに感染し、辛い思いをするのは自分自身ですからね~・・・。
小さくて気付き難いダニですが、「小さな殺し屋」と呼んでも良いほどの強烈な生物兵器になりうる存在ですので、皆様も気を引き締めて山の時間を楽しんでください!
肌をさらし、チューチューするのは、あの時間だけにしたいもんですよね!(笑)
ダニを始めとした嫌な虫対策について書いた記事になります!
登山中で遭遇する、蚊、アブ、ブヨを始め、その他の虫刺され予防についてまとめた記事になりますので、何かの参考になれば幸いです!
登山のダニ対策と何処の山に多いかについて書いた記事になります!
マダニが多く危ない場所と生息域についても触れてますので、良かったら登山の参考にしてみて下さい!