- 登山のダニ対策と危険性について
- 登山でダニ対策が必要な時期と気温・湿度について
- 何処の山にダニは多いのか?丹沢山塊のマダニの生息域ついて
- ダニが生息している危ない場所と登山の対策について
- ダニの危険性と種類・噛まれてしまった時の対処方法について
- まとめ
登山のダニ対策と危険性について
毎日蒸し暑い日が続いておりますが、天気が悪くて中々登山に出掛けられませんよね。
家にいてもジメジメ粘々しているもので、万年床からキノコが生えそうな今日この頃です。
最近は四面楚歌状態なもので、万年床で「垓下の歌」を歌いながら人生の辛さを感じているのですが、これだけジメジメしていると登山で怖いのはダニ(マダニ)ですよね!
喉元過ぎれば熱さを忘れるではないですが、数年前に関西方面の地方の山の中でマダニに噛まれて登山者が亡くなるという事故が多発したのは記憶に新しいですよね。
ダニと言うと、家の中や布団、ソファー等にいると想像してしまいますし、とても小さく見落としてしまい、あまり馴染みがありませんよね。
しかしながら、ダニは野外にも多く生息していますので、登山を始め、アウトドアを趣味にする方にとってはマダニ対策が必須になってきます。
今回は、登山中のダニ対策と、何処の山に多いのか?危ない場所と生息域について書いてみたいと思います!
私は、生まれも育ち神奈川県になるもので、地元の丹沢山塊に対して非常に愛着があるのですが、マダニの危ない場所と生息域、丹沢で問題になっている「山ビル」とも絡めながら書いてみたいと思います!
登山でダニ対策が必要な時期と気温・湿度について
よく聞くダニの被害ですが、「実際どんな時期が危険でシッカリと対策する必要があるのか?」と聞かれてしまうと、中々答えられませんよね。
「アオヒゲのオジサン(私)は、どんな時が危険で対策が必要か?」
と、聞かれたら、そりゃ~山ガールが網タイツ穿いてセーラー服を着ながらチラチラしている時が危険であるのは言うまでもないですよね(笑)
最近は「団地妻」にも興味が湧いていて、色々動画を観ながら勉強しているのですが、いや~チョットこれはダニ以上に危険なシチュエーションだな~と思っております。
私もダニのように「お邪魔しま~す♡」からチューチュー吸い付きたいな~と、ニヤニヤしながら勉強しているのですが、この情熱をもっと仕事に費やしていれば、今頃高級幹部になっていたかもしれませんよね(笑)
ダニ対策の話が、何故か私の性癖の話に代ってしまいましたが、も~満足なので、今日はこの辺でも良いでしょうかね(笑)
ここで止めるとただの変態オジサンになってしまうので話をダニに戻しまして、対策が必要な時期につきましは、基本、一年中になります。
ダニの生態について簡単に触れますと、活動が活発になるのに影響するのが気温と湿度になります。
ダニは、山ビルと生態が似ているところがありまして、活動が活発になる時期もほぼ同じになります。
ヤマビルも気温が上がる5月頃から11月頃までが活動のピークになるのですが、ダニも同じ時期に注意が必要になります。
具体的にダニの危険な時期(気温・湿度)を書きますと、気温が20度以上からどんな場所でも大繁殖し、特に湿度が60%を越えてくると確立が高まってきます。
まさに私のVラインがこれに該当しますので、本気で対策しなくては・・・と、思ってしまいました。
団地妻とウフフフ♡の場面で、私のVラインにダニが大繁殖していたらお互い萎えてしまいますよね(笑)
そんな危険性を秘めている気温と湿度の関係になるのですが、山ビルと違う点は、条件さえ合えば季節関係なく大発生します。
また、山ビルと一緒で、ダニも動物の血を吸う事によって産卵することが出来るようになります。
上述してます通り、ダニの発生・繁殖の時期は気温が上がる5月~7月になりますが、その中でも噛まれる(刺される)時期は7月~9月に多いです。
やはり、気温が上がり湿度も高い時期は、活動が活発になる事が原因になるそうです。
ダニが繁殖するためには、人間を含む動物への吸血が必要になりますが、血をゲットできると1匹で2,000~3,000個の卵を1ヶ月後に産みますので、凄いことになります。
3匹のダニで、最大1万個近く産卵する訳ですので、そりゃ~大繁殖もしますよね。
この事から、梅雨の時期から秋にかけて登山をする場合は、ダニ対策が特に必要な時期になります!
何処の山にダニは多いのか?丹沢山塊のマダニの生息域ついて
ここで何処の山にダニは多いのか?になりますが、上述してますとおり、気温と湿度などの条件が揃えば、何処の山にもダニは発生し繁殖を繰り返します。
吸血しないと子孫を残せませんので、人間などの動物の血を求めて必死にダニも活動いたします。
特に関西方面の山の場合は、東日本と比べて平均気温が高いので、登山中にダニと遭遇する確率が高くなるといえます。
また、気温と湿度が関係しますので、標高の高い場所ではダニの大発生を少なくなりますが、それで全くいないわけではないので注意が必要です。
標高が1,000m上がると、気温は0.6度下がりますので、3,000m位まで上がれば、付近の登山道でダニと遭遇する確率はかなり低いといえます。
しかし、3,000m付近まで登る間にダニがいるわけですので、どちらにしても対策が必要ですよね。
そして、私の地元の丹沢山塊にもダニが生息してまして、面白い傾向があったりします。
何かと申しますと、丹沢山塊のダニの生息域は、西高東低になっております。
冬の気圧配置の事を言っている訳ではなく、丹沢山塊の中心に位置している蛭ヶ岳(丹沢山塊最高峰)から西の地域はダニがかなり多く、東側は殆どいません。
全くダニがいないと言うわけではないのですが、長らく登山をしていていて、私は東丹沢でダニに噛まれた事はありません。
しかし、西丹沢に鎮座する「丹沢湖」から西側は、かなりダニが生息していて、登山で注意しなければなりません。
※神奈川県より出典
こちらは、丹沢山塊で定点観測した時のダニの総数(個体数)になるのですが、かなり顕著な数字になっていることが分かると思います。
菰釣山(こもつるしやま)と世附(よづく)は、丹沢山塊の西部に位置し、堂平・札掛は、東部になります。
AからCのとおり、マダニにも色々な種類があるのですが、どちらも西丹沢に多く生息していることが分かると思います。
先日、丹沢の山ビルは東部に生息域が広がっていると書きましたが、ダニに関しては、西部での登山中に被害に遭いやすいといえます。
また、ダニに関しましては、木々の植生によって生息数が多かったり少なかったりするのですが、そのことが分かる資料がこちらになります!
※神奈川県より出典
ダニの生息数が多い菰釣山の植生は、ほぼ背丈の低いササ類になりまして、次に多い世附地区についても、やはりササ類が多いのが分かるかと思います。
ダニの生息数が少ない堂平、札掛近くは、逆にササ類が少なく植生の違いがはっきりしております。
ここで気になるのが、なぜ同じ山塊なのに、東西で植生が異なるのか?ですよね。
こちらの原因は、丹沢山塊でも問題になっている「シカ」になりまして、山ビルの生息域を広げてしまう要因になるものの、ダニにつきましては、逆に生息域を狭める効果があったりします。
※神奈川県より出典
こちらの表は、ザックリ書きますと、山域別の生い茂る草木の高さになるのですが、西丹沢については威勢よくモリモリ育っているものの、東丹沢については、あまり草木が育っていない事を意味しております。
なぜ、東丹沢では草木が育っていないかというと、前述した鹿が原因になります。
鹿って可愛いですし、登山中見かけるとホッコリしますが、生息数が増えれば、それだけ大量の餌が必要となり、山に生える草木がなくなる事を意味いたします。
※神奈川県より出典
こちらの図の通り、東丹沢は丹沢山塊の中でも鹿の生息密度が濃く、多くの草木が食べられてしまったことにより、ダニが生息し難くい環境になってしまったのが大きな原因になります。
この事から、鹿が増えるに比例して山ビルも増えてしまうものの、登山者の大敵であるダニに関しては減少するという、なんとも不思議な関係性が成立致します。
自然は本当に複雑ですよね~・・・。
丹沢山塊に詳しい方は、西丹沢は山ビルが少ないので安心している方が多いと思います。
それは事実になるのですが、その代わり、死亡事故が多く発生しているマダニに関しては、注意を払わなといけませんので、その事を頭の片隅に入れて頂けたらなと思います!
ダニが生息している危ない場所と登山の対策について
上述してますとおり、基本的にダニは何処でも生息しているのですが、その中でも登山中に危険な場所について書いてみたいと思います。
よく言われていることと重複してしまうのですが、その中でも登山の経験上、良くいるな~と感じたダニの生息場所についても併せて羅列したいと思います!
- 背の高い草むら(腰くらいまで生い茂っているとかなり危険)
- 獣道周辺
- 雨が降ったあとの登山道
- 落葉の中
- 山小屋の布団
特にダニにやられることが多いのは「獣道周辺」になります。
人間を含む獣の血を餌にしてますので、往来のある獣道周辺は、ダニの生息数が多いと感じております。
この獣道周辺は、ダニもそうですが、ヤマビルが生息している事も多いです。
時々登山道と間違えて獣道に忍び込んでしまうことって結構あったりしますが、大抵草木が高く、薮っぽい感じの道になりますよね。
そんな道に迷い込んでしまったら、念の為、ダニが自分の体についていないか確認した方がよいかと思います。
草木が生い茂っているということは、それだけ風が抜けず湿度も高いといえます。
ダニにとっては、湿度が高い草むらが格好の生息域になりますので、注意が必要です。
同様に、落葉の中や雨降った後の登山道も、ダニを見かける事が多々あります。
ヤマビル対策にも有効な登山用スパッツ(ゲイター)も、ダニ対策に活用できますので、とにかく素肌を曝さない事が重要です!
特に首元は対策を疎かにしやすい場所ですので、タオル等で素肌を隠すのも良いかと思います!
そして山小屋で宿泊する場合も、ダニには気をつけて欲しいと思います。
基本的に山小屋にはお風呂、シャワーがありませんので、汗をかいたままの状態で就寝となります。
天気がよければ毎日布団を干していると思いますが、天気が悪いと干せませんので、山小屋の布団はダニの温床になりやすいです。
ダニ対策としましては、山小屋泊でも布団は使わず、シュラフ(寝袋)を持参したり、インナーシュラフを活用するのが効果的です。
とにかく登山中のダニ対策として有効なのは、素肌を出さない事に尽きると思います!
ダニの危険性と種類・噛まれてしまった時の対処方法について
※wikipediaより出典
こちらがマダニの中でも危険な「フタトゲチマダニ」になるのですが、重篤な症状になりやすい「重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSウイルス)」の宿主としての一面を持っております。
フタトゲチマダニは、とても小さなダニなのですが、登山者を始め、多くの方の命を奪ったSFTSウイルスを持っている事がありますので、刺されたら要注意になります。
そんな危険なフタトゲチマダニは、北海道から沖縄県まで分布していますので、登山中に限らず、何処でも注意が必要なマダニになります。
「このダニにピン♪と来たら119番!」
これ位の気持ちで丁度良いと思います!
※wikipediaより出典
また、こちらも危険なマダニの中でも結構メジャーな「オオトゲチマダニ」になります。
丹沢で登山をしていると、このオオトゲチマダニは時々見かけます。
むしろ、何度かこのダニに噛まれたことがあるのですが、今のところ発病していないので、運がよかったんだろうな~と感じております。
オオトゲチマダニの特性としてあるのは、大型哺乳類が好きみたいで、そちらに寄生することが多いダニになるそうです。
丹沢山塊にはシカを始め、日本カモシカやツキノワグマ、イノシシ、アナグマ等の大型哺乳類が生息しているのが影響しているみたいです。
特にシカやイノシシが大山塊では、この危ないオオトゲチマダニが増加しますので、ダニが多くて危ない場所を特定するのに役立つ感じです。
そしてダニに噛まれてしまった時の対処方法になりますが、 基本的に山ビルの時と同じ内容になります。って、山ビルの対処の仕方が分かりませんよね(笑)
簡単に書きますと、吸血しているダニを力ずくで剥がす(取る)と、首が折れて牙が体内(皮膚)に残ってしまいます。
一番簡単なのがライターの火でダニを炙ると「ポロ♪」と剥がれ落ちるので良いのですが、地味に自分も熱いのがネックになります。
火傷の危険性もありますので、虫除けスプレーやエアーサロンパスを噴射するか、アルコールをかけてダニを剥がすやり方もあります。
山ビル対策で使う塩は、ダニには効果がないかと思いますが、それ以外はほぼ同じになります。
噛まれた後に塗る薬も、こちらの記事で書かれている山ビルと同じ物で大丈夫なのですが、例の重症熱性血小板減少症候群(ダニ媒介感染症)の可能性がありますので、一番良いのは皮膚科で診てもらう事だと思います。
ちなみに山ビルに噛まれた場合、感染症の心配はないのか?になりますが、健康な方ならほぼ大丈夫です。
持病を持っている方の場合、稀に細菌性の感染症を発症する確率が0ではないそうです。
しかしながら、山ビルに噛まれて感染症を発症した方は、今のところ全国でいないそうです。
まとめ
山ビルと比べると、ダニについては大して気に留めていない登山者が多いと思います。
しかしながら、小さなダニとはいっても、一度噛まれてしまうと大きなリスクになりますので、登山中の対策が必須になります。
上述しましたとおり、忌避剤を使うことも有効ですが、一番簡単なのが「素肌を出さない」に尽きます。
また、ダニが多く生息する場所や発生時期を把握しておく事も身を守る上で重要ですよね。 ダニに噛まれて死んでしまうのは、本当に勿体無い事だと思いますので、私もシッカリと対策したいと考えております。
今回は、地元の丹沢山塊のダニについて触れましたが、基本、どの山域でも共通する部分がありますので、何かの参考になれば幸いです!
非常に怖い、ダニ媒介感染症の詳細と、対策のまとめについて書いた記事になります。
登山のダニ対策になりますので、よかったら参考にしてみて下さい!