- ピッケルの必要性と雪山登山の楽しさ、過酷さについて
- ピッケルが冬山登山に必要な目安と滑落停止について
- 雪山のテント泊とピッケルの関係性について
- 雪道歩きとピッケルの必要性について
- ブラックダイヤモンドのピッケルの詳細
- グリベルのピッケルの詳細と比較
- ピッケルカバーについて
- ピッケルハーネス(スライダーリーシュ)について
- ピッケルパーツの名称について
- まとめ
ピッケルの必要性と雪山登山の楽しさ、過酷さについて
寒くなるのと比例して、雪の量もモリモリになりそうですが、巷では「今年はウインタースポーツの当たり年になるのではないか!?」と言った話もあるみたいです。
その言葉通り、既に積雪が凄い事になっている地域もあるみたいですしね。
私は一年を通して山登りをしているので、季節はあまり関係ないのですが、
「冬山登山は危ないので行かない!」
と決めている登山愛好家も多いかと思います。
確かに、無雪期と比べると冬山登山のリスクは急上昇するのは否めませんよね。
私の場合は、
「雪山装備はどれも高いのでお金がなくて買えない!」
が、積雪期の登山のリスクであり悩みの種でございます・・・。
無雪期に比べると、お金がモリモリ掛かってしまうのが冬山登山ですよね~・・・。
しかしながら、冬山でないと見れない景色もありますし、雪が有る中を歩く訳ですので、「登山経験値」が上がるのは言うまでもないですよね。
積雪期の冬山は、トレースがなければ地形を読んでコースを自分で見つけなければなりませんし、アイゼンや防寒着等の装備が増えれば荷物も重くなり、無雪期とは違った過酷さが有りますよね。
両足で2Kg近くの重さがある12本爪アイゼンを装備しながらズボズボと雪の中を「ツボ足」で歩けば、も~浜辺を歩いている以上の負荷が足腰膝に掛かる訳ですからね~
登山のトレーニングにおいて、雪山での登山ほど「総合力」を鍛えるのに打ってつけなものは無いかな~と思っております。
ただし、「トレーニング」は、安全な形で行うからこその「トレーニング」でありますので、天候の悪化や色々なリスクに対処出来るような準備をした上で行わないといけませんよね!
色々と面倒臭い(?)感じですが、今日は、雪山での登山に必須なアイテムの1つである「ピッケル」について書いてみたいと思います!
ピッケルが冬山登山に必要な目安と滑落停止について
雪山登山をやらない方でも「ピッケル」の名前は聞いた事があるかと思いますが、私の場合、こんな場面が想定される登山の時に持っていくようにしております。
- 積雪期の森林限界よりの上の稜線(標高2,500m付近)を登る場合。
- 雪上でのテント泊
- 雪道のトラバースがありそうな場合(足がかりを作る必要が想定される場合
※アイスクライミング(氷壁登攀)は考慮しておりません。
これ以外ですと、ピッケルをストック代わりに雪山で使ったり、支点作り(ビレイ)かな~と思われます。
何故、上記3つの場面が予想される時にピッケルを持っていくのか!?になりますが、こんな感じでございます!
「森林限界より上での登山」は、滑落すると木々がないので、掴まったり、ぶつかったりして滑落を短い距離で止める事が難しいからです。
滑落する距離が長ければ長いほど速度も増しますので、そんな勢いで岩場にぶつかれば「さようなら~」になってしまう確率が高くなってしまいます。
そんな滑落時にピッケルを使って「滑落停止」をする訳ですので、自分の命を守るための「最後の砦」とも言える必須アイテムになります!
しかしながら「ピッケルを使った滑落停止(滑落停止姿勢)」は、練習しないと習得が難しく、私も何度か冬山講習や登山の先輩のご指導を受けましたが、非常に怪しい感じです。
特に、テント泊装備の場合は、重量も増えますし、荷物の影響で体の動きも制約を受けますので、なかなかピケッルを使っても滑落を止めることが出来ないのではないかな~と思っております。
滑り落ちるスピードが速くなる前に、いかにしてピケッルを適切に使って滑落を止めれるかが、その後の運命の分かれ道なのかも知れませんよね。
登山の安全を考えるならば、「森林限界」にこだわらず、雪山ならピッケルを持参した方が安心・安全であるのは言うまでもないですよね。
ただ、ピッケルは重たいので、そこら辺がネックになりますよね~・・・。
荷物が重ければ歩くスピードが遅くなり、目的地の到着が遅れれば、それだけ遭難のリスクも高まりますからね~
雪山のテント泊とピッケルの関係性について
そして「雪上でのテント泊」ですが、雪の上でテントを張る場合、ペグが上手く刺さりません。
竹を使って雪上用にペグを自作する方もいるみたいですが、ピッケルを使えば、とりあえず1つは確実に留めることが出来ますので雪上テント泊の時に重宝致します。
また、ピッケルを使って凍った雪をならしてテントを設営するための平地作りに役立つ事もあります。
しかし、ピッケルよりもスコップのほうが全然早いですけどね。
ただし、外にピッケルを出しっぱなしにすると「盗難のリスク」もありますので、こんなアイテムを使って対策されてみるのは如何でしょうか!?
※登山道具の盗難対策について書いた記事になります!
雪道歩きとピッケルの必要性について
そして「ピッケルを使って足がかりを作る」になりますが、ツルツルに凍った斜面を歩く場合、ピッケルを使って凹凸を作れば歩き易くする事が出来ます。
足元がシッカリすれば、それだけ滑落の予防に繋がりますので、登山道の状況を見ながらピッケルを使って足がかりを作るのは重要な事だよな~と思っております。
ま~アイゼン歩行をマスターしていれば、足がかりを作らなくても問題になるようなことは少ないですよね。
やっぱり、雪山の経験がものを言うんでしょうね。
まずはアイゼン歩行をマスターし、それからピッケルを使いこなせるようになるのが、一般的な順序になりますよね!
そんな感じで、現在私が使っているピッケルがこちらになります!
ブラックダイヤモンドのピッケルの詳細
ピッケルの名前が、ブラックダイヤモンド ベノムハンマー ウィズリーシュ 57cmと言いまして、気になる重さは約545gになっております。
私の身長が174cmなのですが、ピッケルの長さが57cmありますので、杖としても使う事が出来ます。
若干、長くて邪魔かな~っと思っておりますが、ま~許容範囲でございます。
そして、こちらのブラックダイヤモンドのピッケルを購入する前に、非常に迷ったモデルがこちでございます!
グリベルのピッケルの詳細と比較
ピッケルの名前がGRIVEL(グリベル) ネパールSAのと言います。
グリベルは、アイゼンやピッケルを扱うメーカーとしては有名ですからね~
こちらのピッケルの重さは、シャフトの長さが66mですと510gなっておりまして、ブラックダイヤモンドのピッケルよりも軽量モデルになっております。
12本爪アイゼンもブラックダイヤモンドの物を使っているので、ピッケルも同じメーカーにしようと持ったのが主な要因です(笑)
私が購入した当時は、グリベルのピッケルよりもブラックダイヤモンドのピッケルの方が安かったのも大いに影響いたしました!!
デザインはグリベルのほうに軍配が上がるかな~と思いますが、お値段を比較するとブラックダイヤモンドの方がコスパに優れるような気が致します。
ピッケルカバーについて
そして、ピッケルを購入する上で厄介なのは、ブレード(刃)や尖った石突等が剥き出しになっておりますので、別途、ピッケルカバーを購入しなければなりません。
しかし、こちらのGRIVEL(グリベル) ネパールSAには、付属品としてピッケルカバーが付いてくるので、別途、購入する必要がございません!
細々としたものを買うのが面倒な場合は、こちらのグリベルの方が手っ取り早くてお勧めなピッケルになります!
そんな感じで、ブラックダイヤモンドのピッケルを購入する場合は、下記カバーが必要になってきます。
ピッケルだけを購入すればよい訳ではないので、地味にお金が掛かってしまいますf^_^;
ピッケルハーネス(スライダーリーシュ)について
また、ピッケルは滑落停止の最後の砦ですので、行動中は肌身離さず持っていないと危ないですので「ハーネス(スライダーリーシュ)」も必要になります。
ハーネス(スライダーリーシュ)は、シュリンゲ(スリング)でも代用可能ですので、そちらを使っている登山者を時々見かけます。
結構、ピッケルハーネス(リーシュ)を自作している方も多いですが、命に直結する重要なアイテムになりますので、強度等を勘案すると、市販されている物の方が安心かと思います。
ピッケルを購入する場合は、本体・カバー・ハーネス(リーシュ)の計3点が必要ですので、同じタイミングでの導入がお勧めです!
こちらとは別に、ヘルメットやゴーグル、ビーコン等も持っていると、更に安全だと思いますが、流石にお金が・・・ですよね~f^_^;
命と比較すれば、安いものかも知れませんが、本当に冬山装備はお金が掛かります(>_<)
そんな感じで、ピッケルにも色々な部品?で構成されておりますので、各名称を写真に加筆して書いてみたいと思います!
ピッケルパーツの名称について
ピッケルは、大きく分けて「ヘッド」、「シャフト」、「シュピッツェ」の3つで構成されております。
各名称になりますが、上部の青丸と赤丸の2つを合わせて「ヘッド」と呼び、青丸は「ピック」、赤丸は「ブレード」と呼びます。
ピックは、滑落停止姿勢をとる時に、斜面に差し込む部分になります。
ブレードは、雪や氷を削って「足がかり(足場)」を作る時に使います。
緑で囲った部分は「柄(シャフト)」と呼びます。
基本、「ヘッド」の部分をもって雪道を歩くので「柄(シャフト)」を握る事は少ないです。
そして、紫色の部分が「シュピッツェ」と呼ぶのですが、あまり馴染みがないですよね。
日本語で言うと「石突(石突)」と呼ばれる尖がった部分の事なのですが、登山ストックも杖の先端に石突がついてますよね~
ピッケルと登山ストックの石突は、同じような意味合いになります。
ただし、ピッケルの石突は非常に尖ってますので、凍りついた斜面でもザクザク刺さります。
登山ストックの石突ですと、凍った所には深く刺さりませが、ピッケルですと、氷は勿論の事、雪深い斜面に差し込めば、非常に安定した支点になりえます。
厳冬期の富士山の山頂付近は、ピッケルの石突が刺さらないほど凍りついているそうです。
アイゼン・ピッケル装備していても、アイスバーン状態の斜面から滑落すれば、体を止める事が出来ず、一気に500m位ほど落ちて命を失う結果になるのも頷けますよね。
まとめ
ピッケルは、数多くある「登山道具」の中でも、アルピニストの象徴としての意味合いがある特別な存在ですよね!
ピオレドールの「金のピッケル賞」からしても、やはり扱いが違いますよね!
「金のアイゼン賞」だと、なんだかチクチクして痛そうですしね(笑)
なかなか使いこなす事が難しいピッケルですが登れる山の範囲が格段に広がるのは言うまでもないですよね!
低山ですと、ピッケルを使う場面が中々ないのが現状かと思いますが、どんな山でも滑落のリスク、遭難のリスクはありますからね!
セオリー通り、アイゼン歩行をモリモリ練習し、12爪アイゼンを使いこなせてからピッケルの練習になるのではないかと思います。
冬山の滑落事故ですと、12本爪アイゼンの前歯にスッパツを引っかけたり、岩や木の根につまずいて滑って転んで滑落だ!ってなパターンが多いみたいですしね。
冬山は、非常に寒いので、チョッとしたミスや怪我が命取りに繋がるのが怖いところですよね。
色々なリスクに対応できるような登山者になりたいものだな~と思いつつ、今年の積雪期もアイゼン・ピッケルの練習を頑張ろう!と思ている誰かさでした!