アオヒゲ危機一髪♪ 樽の中身は何だろう!?

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釣り人の遭難と山岳救助中死亡事故に思う事。落石とヘリコプターの風圧

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落石直撃死亡遭難事故ニュース記事

※UワクUTVより出典

 

 

釣り人の遭難と山岳救助中の死亡事故について

2017年5月に山梨県丹波山村で遭難した釣り人の山岳救助に失敗し、要救助者がお亡くなりになるという痛ましい事故が発生しました。

 

まずは、お亡くなりになった男性のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

日頃から趣味で登山をしている身ですので、この救助失敗のニュースを聞いて色々と考えてしまいました。

 

色々と問題になった山岳事故なだけに、その後が気になっていたのですが、先日、調査結果が纏まり今回のニュースとなりました。

 

ことの顛末は、冒頭のニュースの記事の内容になるのですが、ご存じない方も多いと思いますので、補足したいと思います。

 

今回のヘリコプターで救助中に落石が起きてしまい、救助を待っていた方に岩が直撃し、出血性ショックでお亡くなりになってしまいました。

 

落石で命を落とした方は、横浜市在住の銀行にお勤めしていた49歳男性でした。

 

私は勤め先で経理部に所属しているのですが、財務担当なもので、銀行の担当者とよく話す機会があるのですが、49歳で銀行勤めになりますと、結構上席の方だったのではないかと思われます。

 

銀行の規模にもよりますが、だいたい40歳過ぎると関連会社や融資先の会社に出向という形になる事が多く、ある程度出世していないと本体(銀行)で勤務できる方は限られてきます。

 

50歳近いことを考慮すると、平行員であることは考えられません。

 

不謹慎ながら、ご遺族の経済的損失は、とても大きいのではないかと推測してしまいました。

 

 

山岳救助中の死亡事故現場について

事故現場になりますが、山梨県の丹波村と記載がありますが、とても広い村になりますのでピン♪っときませんよね!?

 

山梨県には多くの山がありますので、事故現場はどこなんだろう?と、思ってしまいますよね。

 

今回の事故現場は、奥秩父の名峰「大菩薩嶺」の北側を流れる清流「小室川」になります。

 

冒頭のニュースの写真にゲートが写ってますが、こちらを見た時にピン♪と来ました!

 

このゲート、見たことあるぞ!?

 

記憶違いなら申し訳ないのですが、こちらの写っているゲートは、「三条新橋」ではないかと思われます。

 

三条新橋は、山梨百名山である鶏冠山(標高1,710m)・黒川金山跡の登山道の近くになるのですが、林道を歩いていくと「泉水十文字」・「大菩薩嶺北尾根」の入口に行けれる登山の起点となる場所になります。

 

言葉で書いても分かり難いので、地図を添付いたします!

 

 

なんだか「おいらん淵」が妙に気になりますよね!?

 

どんなおいらんが、私の事を惑わしお金を巻き上げてくれるのかしら♡

 

と、思ってしまうのですが、今回の山岳救助中の死亡事故の場所は、残念ながらこちらではありません。

 

 地図を下の方に進めると「サカリ山」が見えてくると思いますが、その山の左側に流れている川が今回事故現場である「小室川」になります。

 

フルコンバというマニアックな場所があるのですが、そこに水場があります。

 

もしかすると、小室川の源頭部(コンバ沢)になるのではないかな~っと思っておりますが、もしかすると大菩薩側の「ジャヌケ沢」の方かもしれません。

 

 マニアックな名前が並んでいますが、 小室川は、沢登のルートとして有名ですので、沢屋さんにとっては馴染みのある川だと思います。

 

しかし、小室川では、沢登の途中で流されたり滑落したりと事故が絶えないところでもあります。

 

私は沢登りで小室川へ行ったことがないのですが、結構大きな滝もあり、なかなか険しい道が続く感じになるそうです。

 

 

沢登りで遭難したのか?それとも無謀な登山者だったのか?救助要請の原因は!?

 当初、この山岳救助中の死亡事故のニュースを観て思ったのが、

 

道に迷った登山者が沢に下りて進退窮まり遭難したのか!?

 

になります。

 

上述した「泉水十文字」・「大菩薩嶺北尾根」は、一般的な登山道ではないので、道迷いのリスクが高く、無謀な登山者が遭難したのかと思ってしまいました。

 

しかしながら、今回の事故は登山者ではなく、沢登りをしている方でもありませんでした。

 

では、何をしていたのか?になりますが「釣り(渓流釣り)」をしていた最中に遭難してしまったそうです。

 

実際は、左足首の痛みを訴え、その場から動けなくなり救助要請したそうですが、状況からすると、捻挫をしてしまったのかもしれません。

 

渓流釣りをする場合、フェルト製の滑らない靴を履いて臨むのが一般的なのですが、それでも滑る時は滑りますからね~

 

また、渓流沿いは「浮石」も多く、着地した時にバランスを崩して転倒することもありますしね。

 

何故、足首を怪我したかの原因までは分からなのですが、チョッとした怪我が命取りになることって山では多いですからね。

 

登山や沢登りと違い、あくまでも「渓流釣り」という認識で入渓すると「怪我で遭難」は考え難いのかも知れませんよね。

 

険しい沢道の途中で怪我をすると、単独ではなかなか自力で戻るのは難しいので、救助要請をしたのだと思います。

 

自分の不注意とはいえ、この救助要請の判断は、非難されるものではないかな~と思いますが、公費での救助になりますので、別の問題はありますよね。

 

そして、少し解せな点があるのですが、それは「カメラを装着して動画を撮っていた」になります。

 

渓流釣りで動画?と思ってしまったのですが、自分の救助の様子もシッカリと撮っていたそうです。

 

結局、この動画の記録が、山岳救助中に何が起きたかの証拠になりました。

 

動画が残っていたお陰で色々な事が分かったのですが、何故、動画の撮影をしていたのかが謎ですよね!?

 

長時間バッテリーが持つカメラを装備し、始めから終わりまで電源を切らずに動画で撮影していたのか!?

 

それとも、救助の様子を動画で撮って記録に残そうとしたのか!?

 

本人に聞かないと分からない事ですが、この動画によって救助のヘリコプターが起こす強風で木の枝が折れ、それが岩にあたり落石に繋がった事が解明した訳ですので、次の救助の教訓になるのは間違いないですよね。

 

しかしながら、もし私が当事者なら、電源切って動画の撮影はしてないだろうな~と思いました。

 

あくまでも私の考えですが、自分の救助要請に応じ、命がけで駆けつけてくれている方達を撮るのは、チョット違うような気がします。

 

落石の怖さについて

登山中に、私も何度か落石に遭ったことがあるのですが、何時、何処で発生するか分からないだけに怖いものがあります。

 

特に沢に近い斜面は、落石が多いイメージがあったりします。

 

登山のセオリーというか、身を守る為に大事な掟としてこんなのがあります。

 

  • 落石があるかも知れないので、斜面の下で休憩しない(幕営しない)
  • 落石や流木が落ちてくるかも知れないので滝の近くで休憩しない
  • 雨が降った後や、雪解けの時期は落石に要注意

 

気持ちが良いので、滝の近くで休憩しがちですが、滝周辺の岩肌は、絶えず水しぶきと滝壺に落ちる水の風圧に曝されてますので、表面が脆くなっている事が多いです。

 

チョッとした衝撃が落石となりますので、滝の近くは要注意になります。

 

また、雨が降れば地盤が軟らかくなりますし、雪解けの時期になれば、氷が太陽の熱で解けて水が膨張し、岩を動かす力として働きます。

 

渓谷は、山に降った雨が集まるところになりますので、落石が起きやすい場所であるといえます。

 

山に降った雨が集まり川となり、水の勢いで尾根が削られ谷になる訳ですからね。

 

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 過去にあった登山中の落石体験について書いた記事になります。

下手くそなイラスト入りですが、良かったらご参考にしてみてください!

 

ヘリコプターの風圧について

今回の釣り人を襲った落石の原因は、ヘリコプターの風圧によるものですが、確かに枝を折るほどの強い風であると身に染みて分かっております。

 

神奈川県の丹沢山塊で、滑落した登山者の救助のお手伝い(第一通報者)をした事があるのですが、その時に活躍したのがヘリコプターになります。

 

樹林帯でヘリコプターの救助を待っていたのですが、だいぶ距離が離れているのにも関わらず、風圧が凄く色々なものが吹っ飛んだ経験があります。

 

風が強いので音も凄く、至近距離で会話もできない感じでしたので、ヘリコプターの風圧は舐めてはいけないものだと思います。

 

枝は飛び散り埃は舞い上がり、ヘリコプターの風圧は凄いな~と感じたのですが、今回の落石の原因がまさにこれになりますので、ある意味納得してしまいました。

 

しかし、ヘリコプターの風圧が落石の原因になるとは思いつかない部分もありますので、遭難した釣り人も不運でしたし、操縦していた方にとっても同じ事がいえるよなと感じました。

 
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 ヘリコプターで遭難した登山者の救助を試みたものの、なかなか上手くいかず非常に多変だった事故について書いた記事になります!

長い記事になってしまったので、前・後編の2部作にしてますが、良かったらご参考にしてみてください!

 

死亡事故を起こしてしまったヘリコプターの操縦士について

 理由はどうあれ、結果は救助失敗になってしまいましたので、ヘリコプターの操縦をしていた方の精神的負担は凄いものがあるのではないかと思っております。

 

お亡くなりになった本人・ご遺族の負担も大変大きいですが、助ける事が出来たはずの命を奪ってしまった事に対し、自責の念に駆られてしまいますよね。

 

結局、容疑が固まり次第、救助していた操縦士らを「業務上過失致死の疑いで書類送検」する事になるみたいです。

 

起訴→裁判になるかどうかはまだ分かりませんが、命を張って奮闘している救助隊の方が捕まってしまうというのは、なんだか色々と思うところがあったりします。

 

数年前に、似たような事件が北海度でもありまして、スノーボードでコース外(場外)を滑っていた男性が、途中で怪我をして動けなくなってしまった事故がありました。

 

不慣れな警察の隊員が救助に向かい助け出したのですが、収容していたソリを何かのはずみで離してしまい、そのまま崖に落ちて死亡させてしまった事故がありました。

 

最終的に裁判となり、警察の過失が認められ損害賠償が確定したのですが、その事件の事を思い出してしまいました。

 

一生懸命救助に向かったものの、残念な結果になると、その責を負うのは「救助の担い手」がどんどんいなくなってしまうのではないかと危惧してしまいます。

 

あそこは危険だから救助に行きたくない。

 

訴えられたら大変だから救助に参加したくない。

 

こんな意見がまかり通ってしまうと、困るのは私達ですよね。

 

勿論、状況等によって様々だとは思いますが、今回のヘリコプターの風圧による落石で責を負うのは酷なような気がしてしまいます。

 

ご遺族の方からすれば「甘い」と言われてしまうと思いますが、防げる事故と防げない事故がありますよね。

 

まとめ

遭難事故を起こすと、多くの方に迷惑をかけてしまいますので、細心の注意をしながら登山・アウトドアを楽しみたいものですよね。

 

何が起こるか分からないのが自然の怖さになりますが、そんな困難な時に助け出してくれる大きな力が私たちのバックにいることは頼もしいですよね。

 

お世話にならない事が一番ですが、同じような事故が起きないことを切に願っております。

 

遭難事故は誰も幸せにしませんしね。

 

私も気を付けたいと思います!

 

www.aohigetozan.com

 登山中にトラブルが続き下山できなくなった時について書いた記事になります。

も~2度とビバークはしたくないと思った一夜になりました。

長い記事ですが、良かったらご参考にしてみてください!